来年65歳になる父が「自動で年金がもらえる」と思っていました。申請しないと受け取れないですよね?

配信日: 2025.09.28 更新日: 2025.10.21
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来年65歳になる父が「自動で年金がもらえる」と思っていました。申請しないと受け取れないですよね?
「65歳になれば自動的に年金が振り込まれる」と思っている方は少なくありません。しかし実際には、老齢年金を受け取るためには必ず請求手続きが必要です。もし申請を忘れてしまうと、年金を受け取れない期間が発生することや、過去分の一部が時効で消えてしまう可能性もあります。
 
本記事では来年65歳を迎えるお父さまのために、年金の仕組みや申請の流れ、注意点について解説します。
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65歳で自動受給にはならない

多くの方が勘違いしやすいのが、「65歳になれば年金が自動的に支給される」という思い込みです。確かに、日本年金機構からは65歳になる少し前に案内や書類が送られてきますが、それを提出しなければ年金は振り込まれません。
 
国民年金の老齢基礎年金も、会社員などが加入していた厚生年金の老齢厚生年金も、受給開始年齢に達しただけでは支給は始まらない仕組みになっています。必ず請求書を提出する手続きを経て、初めて受け取りがスタートするのです。
 

手続きの流れとタイミング

年金請求の流れは比較的シンプルです。65歳になる3ヶ月ほど前になると、日本年金機構から「年金請求書」が届きます。
 
この書類に必要事項を記入し、本人確認書類や銀行口座の情報を添えて、最寄りの年金事務所に持参するか郵送で提出するのが基本です。条件を満たしていれば、マイナポータルやねんきんネットを通じて電子申請を行うことも可能になっています。
 
提出期限は原則として誕生月の末日ですが、誕生日が1日の場合は前月末が期限となります。ただし、期限を過ぎて提出した場合も原則として支給が可能ですが、初回の受給が遅れることがあります。
 
提出後は審査を経て1~2ヶ月ほどで「年金決定通知書」が届き、その後に支給が始まります。年金は偶数月の15日に、前の2ヶ月分がまとめて振り込まれる仕組みです。たとえば4月と5月分の年金は6月15日に支給されるという形になります。
 
また、65歳からすぐに受け取るだけでなく、受給を1年遅らせると増額される「繰下げ受給」の選択も可能です。繰下げを希望する場合には、請求の段階でその意向を示す必要がありますので、早めに検討しておくと安心です。
 

申請を忘れたらどうなる?

もし請求手続きをしないまま65歳を過ぎてしまうと、その間は年金が支給されない状態が続きます。さらに怖いのは時効の存在です。年金は原則として5年を超えた過去分についてはさかのぼって受け取ることができません。
 
10年間手続きを忘れてしまった場合、本来受け取れるはずだった前半の5年間分は消えてしまうのです。ただし、5年以内であれば請求をすればさかのぼって支給されますので、気づいた時点でできるだけ早く申請することが大切です。
 
また、請求の際には自分の年金加入記録に誤りがないかを確認することも欠かせません。加入記録に抜けや間違いがあると、本来より少ない金額で計算されてしまうことがあります。年金請求書に同封されている記録をしっかり確認し、不明点があれば年金事務所に相談すると安心です。
 
申請期限を過ぎても請求自体はできますが、過去5年より前の分は時効により原則受け取れません。やむを得ない事情がある場合は申立てによって時効成立の回避ができる可能性もあるため、あきらめずに年金事務所へ相談しましょう。
 

まとめ

年金は「自動的に振り込まれる」わけではなく、必ず請求手続きが必要です。65歳になる3ヶ月前には請求書が届きますので、まずはその書類がきちんと届いているかを確認しましょう。
 
お父さまが手続きを一人で行うのが難しい場合には、ご家族がサポートして一緒に進めると安心です。必要な準備を早めに整えておけば、受給開始がスムーズに進み、老後の生活資金を安心して確保できます。年金は人生の大切な収入の柱ですので、勘違いやうっかりで損をしないよう、余裕を持って準備を始めることをおすすめします。
 

出典

日本年金機構 老齢年金の請求手続き
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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