独身の父が亡くなりました。母はすでに他界しています。この場合、受取るはずだった年金はどうなりますか?

配信日: 2025.10.16 更新日: 2025.10.21
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独身の父が亡くなりました。母はすでに他界しています。この場合、受取るはずだった年金はどうなりますか?
親の死を迎えたとき、悲しみに加えて現実的な手続きにも直面します。その中でも多くの人が戸惑うのが、「亡くなった親の年金はどうなるのか? 」という問題です。特に父が独身で、母もすでに亡くなっている場合、年金の扱いはどうなるのでしょうか。
 
本記事では、受け取る可能性のある年金の種類と、その手続きの流れをわかりやすく解説します。
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年金には「受け取る人」と「支える人」がいる

年金制度にはいくつかの種類がありますが、大きく分けると次の2つの目的があります。老後の生活を支えるための年金(老齢年金)と、亡くなった人を支えていた遺族を守るための年金(遺族年金)です。亡くなったお父さまがどの年金を受け取っていたか、またどんな加入歴があったかによって、残された人が受け取れるものが変わります。

 

「老齢年金」は亡くなった時点で支給が止まる

老齢基礎年金や老齢厚生年金など、お父さまご自身が老後に受け取っていた年金は、死亡した時点で支給が止まります。
 
ただし、未払い分(受け取り前に亡くなった分)があれば、それを受け取れる場合があります。未支給年金とは、亡くなった月分までの年金で、まだ振り込まれていない分を「未支給年金」と呼びます。これを受け取れるのは、法律で定められた「生計を同じくしていた遺族」です。
 
順位は以下のとおりです。
 

1.配偶者
2.子
3.父母
4.孫
5.祖父母
6.兄弟姉妹

 
今回のケースでは、「母はすでに他界」「父は独身」とのことですので、子(あなた)がいれば、あなたが未支給年金の受取人になります。

 

「遺族年金」は原則として配偶者や子どもが対象

次に、「遺族年金」について見てみましょう。これは、家族を支えていた人が亡くなったとき、その生活を補うために支給される年金です。
 
遺族年金には主に次の2種類があります。
 

・遺族基礎年金
国民年金に加入していた人に対して支給
 
・遺族厚生年金
厚生年金に加入していた人に対して支給

 
ただし、どちらも受給できるのは配偶者または18歳未満の子(障害のある場合は20歳未満)です。
 
したがって、今回のように父が独身で、子ども(あなた)が成人している場合、遺族年金の支給はありません。

 

未支給年金を受け取るための手続き

未支給年金を受け取るには、年金事務所での手続きが必要です。主な流れは以下の通りです。
 

1.お近くの年金事務所へ連絡し、必要書類を確認する
 
2.提出する主な書類
・未支給年金・死亡届(年金請求書)
・戸籍謄本(続柄の証明)
・住民票(同一世帯であったことの証明)
・故人の年金証書
・本人確認書類(運転免許証など)
・振込先口座の通帳コピー など
 
3.期限
原則として、死亡日から5年以内に請求しなければなりません。これを過ぎると時効により受け取れなくなる可能性があります。

 

注意すべき点とアドバイス

年金は月単位で計算されるため、亡くなった月分までが支給対象になります。
 
口座に入金された後で亡くなった場合でも、死亡月以降に振り込まれた年金は返還が必要です。また、相続人が複数いる場合、未支給年金の権利者は「生計を同じくしていた人」に限られます。詳細は、日本年金機構(または年金事務所)に確認するのが確実です。

 

受け取れる年金・受け取れない年金を整理しよう

父が独身で母も他界している場合、次のように整理できます。
 

・老齢年金
死亡時点で支給停止。ただし未支給分は子が受け取れる。
 
・遺族年金
成人した子には原則支給されない。
 
・手続き
死亡から5年以内に、必要書類をそろえて年金事務所に請求。

 
年金に関する手続きは、悲しみの中で行うのは大変ですが、期限を過ぎると受け取れない場合があるため、早めの対応が大切です。困ったときは、迷わず年金事務所や社会保険労務士などの専門家に相談しましょう。

 

出典

日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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