誕生月に届いたねんきん定期便で、将来もらえる年金額が「月10万円ほど」と知ってがっくり…45歳、今からでも年金額を増やせる方法はありますか?

配信日: 2025.10.15 更新日: 2025.10.21
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誕生月に届いたねんきん定期便で、将来もらえる年金額が「月10万円ほど」と知ってがっくり…45歳、今からでも年金額を増やせる方法はありますか?
毎年届くねんきん定期便で「将来もらえる年金が月10万円程度」と知ると、不安に感じる方も多いでしょう。確かに公的年金だけで老後の生活をまかなうのは難しいといわれています。
 
しかし、45歳という年齢でも“これから始められる選択肢”は存在します。本記事では、まず年金制度の仕組みを振り返ったうえで、「公的制度でできる対策」「私的な備え」を体系的に紹介します。
 
制度の制約や将来の見通しを踏まえながら、今からできる現実的なステップを示しますので、ぜひ参考にしてください。
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なぜ「月10万円程度」の見込みになるのか:年金制度の仕組みを整理

まずは、年金制度の仕組みを確認しましょう。日本の公的年金は「2階建て構造」となっており、日本に居住する20歳以上60歳未満のすべての人が加入する国民年金(基礎年金)を1階部分、会社員や公務員などが加入する厚生年金を2階部分としています。老後にもらえる金額は、基本的にこの2つの合計で決まります。
 
ねんきん定期便に記載されている将来の年金額の目安が「月10万円ほど」となっていた場合、保険料の納付期間が短い、または厚生年金に加入していた期間が少ない可能性があります。非正規雇用や転職を繰り返した人、あるいは未納・免除期間などがある人は、年金額が低くなる傾向があります。
 
また、現在の試算額は、現時点までの加入実績を基に算出されているため、今後働く期間や収入によって増える可能性もあります。つまり、「月10万円」はあくまで途中経過の目安であり、今後の働き方や制度活用によって改善の余地がある数字なのです。
 

45歳時点でもできる年金額を増やす方法:公的制度・働き方の選択肢

45歳でも、まだ年金額を増やすチャンスはあります。まず検討したいのが「付加年金」です。日本年金機構によれば、これは、国民年金第1号被保険者や65歳未満の任意加入被保険者を対象に、国民年金の定額保険料に月400円を上乗せして納める仕組みで、将来受け取る老齢基礎年金額を増やすことができます。
 
付加年金額は、「200円×付加保険料納付月数」で計算され、例えば10年間納め続けると、受給額が年間2万4000円ほど増えることになります。少額の負担で効果が大きい制度として知られています。
 
また、60歳以降も国民年金に「任意加入」する方法もあります。日本年金機構によると、これは、老齢基礎年金の受給額が満額に届いていない人や、60歳までに老齢基礎年金の受給資格を満たしていない人などが、65歳まで保険料を納めて年金額を増やす制度です。
 
さらに、会社員や公務員として厚生年金に加入している人であれば、65歳以降も働き続けることで年金の「報酬比例部分」を増やせます。勤務期間が1年延びるだけでも、将来受け取る金額は確実に上積みされます。
 
最近では70歳まで働ける環境を整える企業も多く、健康やライフスタイルにあわせて働き続けることが、最も現実的な年金アップの方法ともいえるでしょう。
 
受給開始時期を遅らせる「繰下げ受給」も効果的です。65歳から受け取りを始めるのが基本ですが、仮に70歳まで繰り下げれば、受給額は42%増額します。ただし、繰下げ待機期間中は年金収入がないため、一定の貯蓄や他の収入源がある人には有効な選択肢です。
 

公的年金だけで足りない部分を補う:私的年金・資産運用の選択肢

公的年金を増やす工夫とあわせて、私的年金や資産運用も取り入れると安心です。
 
例えば、個人型確定拠出年金(iDeCo)は、自分で掛金を拠出して運用し、将来老齢給付金を受け取る仕組みです。掛金が全額所得控除の対象になるため、節税効果も大きいのが特徴です。勤務先に企業型確定拠出年金がある場合は、それを活用するのもよい方法です。
 
さらに、NISAを活用すれば、少額から長期で資産を増やすことができるケースもあります。運用にはリスクも伴いますが、時間を味方につけることで安定的に資産を形成することが可能となるでしょう。
 
生命保険会社が提供する個人年金保険を利用するのもひとつの手で、特に定額個人年金保険は安全性を重視したい人に向いています。
 

まとめ:今から備える“複数の手段併用”が鍵

45歳からでも、年金額を増やす方法は決して少なくありません。まずはねんきん定期便やねんきんネットなどで自分の加入履歴を確認し、未納や不足期間があれば早めに対応しましょう。付加年金や繰下げ受給などの制度を組み合わせたり、働く期間を延ばす工夫をしたりすることで、将来の年金額は確実に改善できます。
 
そして、公的年金だけに頼らず、iDeCoや資産運用などを並行して行うことが、老後の安心を確保する近道です。複数の制度を上手に使い分け、少しずつ備えることが、将来の「がっくり」を「安心」に変える第一歩となるでしょう。
 

出典

日本年金機構 付加保険料の納付
日本年金機構 任意加入制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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