毎月きちんと“年金保険料”を払っている「40代」です。私たちの世代は年金を“いくら”もらえるのでしょうか?

配信日: 2025.10.20 更新日: 2025.10.21
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毎月きちんと“年金保険料”を払っている「40代」です。私たちの世代は年金を“いくら”もらえるのでしょうか?
40代は子どもの教育費やマイホーム費用の見通しも立ち、老後生活に意識が向き始める年齢です。公的年金は賛否がありますが、一生涯給付を受けられるので老後生活の重要な収入源となります。公的年金の老齢給付額をベースに老後の生活を組み立てる必要があるので、年金をいくらもらえるかは最大の関心事といえるでしょう。
 
本記事では、40代の年金額について解説していきます。
菊原浩司

FPオフィス Conserve&Investment代表

2級ファイナンシャルプランニング技能士、管理業務主任者、第一種証券外務員、ビジネス法務リーダー、ビジネス会計検定2級
製造業の品質・コスト・納期管理業務を経験し、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを重視したコンサルタント業務を行っています。
特に人生で最も高額な買い物である不動産と各種保険は人生の資金計画に大きな影響を与えます。
資金計画やリスク管理の乱れは最終的に老後貧困・老後破たんとして表れます。
独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を最優先し、資金計画改善のお手伝いをしていきます。

http://conserve-investment.livedoor.biz/

自分の年金内容を把握しよう

公的年金は現役時代の年収に連動する部分がありますが、収入の一部を代替することが基本方針になっており、現役時代と同じだけの収入を公的年金で維持することはできません。
 
できるだけ年金額を増やそうとする場合、加入する年金制度の量を増やすことなどが選択肢になります。
 
日本の年金は階層構造なので、1階部分の国民年金と2階部分の厚生年金に加え、付加年金や国民年金基金、確定拠出年金や企業年金などに追加加入することができますが、一方で年金の給付期間に注意を要する必要も出てきます。
 
老齢基礎年金(国民年金)や老齢厚生年金は終身なので一生涯にわたり給付を受けることができますが、確定拠出年金や民間の保険会社が提供している個人年金保険などは給付期間が定まっており、給付期間が終了すると給付を受けることはできなくなります。
 
さらに、例えば有期年金のうち「保証期間のないタイプ」の場合、給付期間が残っていても契約者が死亡した時点で給付は打ち切られ、遺族も以後受け取ることはできません。このように、商品によっては死亡時の取り扱いが大きく異なるため、契約前に内容を十分に確認する必要があります。
 
加入件数を増やすと年金額は増えますが、給付期間などの諸条件も複雑化します。年齢を重ねたときに給付がなくなってしまったといったことはならないよう、ご自身の加入する年金制度をしっかりと把握してから加入するようにしましょう。
 

よくある国民年金と厚生年金の2階建てではいくらもらえるのか?

2024年に実施された公的年金の財政検証によると、現在のモデル世帯(夫婦2人の老齢基礎年金13万4000円+夫の老齢厚生年金9万2000円)の年金額の合計は月額約22万6000円となり、現役男性の平均手取り収入額37万円に対して61.2%の所得を代替しています。
 
老齢年金の所得代替率は、将来の現役世代の人数や高齢者の人数、平均余命、経済成長の度合いなどによって変化しますが、少子高齢化の影響もあり低下が見込まれています。
 
2039年度の所得代替率は高成長を実現したケースでも、現在の61.2%→56.9%に低下してしまいます。2024年度の水準の収入額・給付額に置き換えて換算すると、月額22万6000円→21万1000円となります。
 

老齢年金を柱に老後生活を組み立てていく場合の注意点

老齢年金の所得代替率は将来的に低下が見込まれています。財政検証から現在40代の方が受け取る年金額の所得代替率は、高成長ケースでも61.2%→56.9%に低下します。老後生活を維持するためには年金制度への追加加入、預貯金の活用、年金の繰下げ受給の選択といったことを検討する必要があります。
 
この際、大きなリスクのひとつとなるのが「配偶者の死去」です。特に老齢基礎年金は18歳未満の子がいないと遺族基礎年金の対象とならないため、支給停止となる可能性が高く、モデル世帯の場合だと最低でも月額約6万7000円は減少することになります。
 
また、老後は健康状態によっては就労して収入を得ることが難しいことも考えられます。リスクへの備えが不十分なまま老後生活を送ってしまうと、万が一の際に生活を立て直せず老後貧困に至ってしまうかもしれません。
 
老齢年金はいくらもらえるかだけでなく、所得代替率や給付額がどう変化するかを把握し、リスクを適切に管理する必要があります。
 

出典

厚生労働省 いっしょに検証! 公的年金~年金の仕組みと将来~ 令和6(2024)年財政検証結果
 
執筆者 : 菊原浩司
FPオフィス Conserve&Investment代表

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