年金の平均月額は「14万円」!?私は「月10万円」、知人も「月12万円」と言っていましたが、平均程度もらっている人はそんなにいるのでしょうか?
本記事では、平均と同じくらいの年金を受け取っている人の割合や、年金受給額が平均以下でも生活するための対策をご紹介します。
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平均額に近い年金を受け取っている人の割合は?
厚生労働省年金局の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和5年度における厚生年金保険受給者の平均年金月額は14万6429円です。
老齢年金受給権者数1605万4729人を年金月額階級別に見ると、平均額に近い「13万~14万円」を受給している人は92万3629人(約5.6%)、「14万~15万円」は94万5907人(約5.9%)です。
平均と同じくらいの額の年金を受け取っている人は、それほど多くはないといえるでしょう。
最も多いのは「10万~11万円」の112万6181人(約7%)で、次いで「9万~10万円」の107万9767人(約6.7%)、「17万~18万円」の105万3851人(約6.6%)となっています。
このことから、平均より少ない額の年金を受給している人も一定数いることが分かります。
年金受給額が平均以下でも生活できる?
今回は年金受給額が「月10万円」ということなので、その金額でも生活できるのかを、65歳以上の一人暮らしと仮定して計算してみましょう。
総務省統計局の「2023年家計調査(家計収支編)」によると、65歳以上の単身無職世帯における月の消費支出は14万5430円、非消費支出は1万2243円です。合計すると、月に15万7673円の生活費がかかります。
月の収入が10万円の年金のみである場合、5万円以上不足する計算です。そのため、年金以外の収入を得られるよう定年後も働き続けるか、老後に備えて十分な貯蓄をしておくことが望ましいと考えられます。
年金受給額が少ない場合の対策
支出が収入を上回ると生活費が不足するため、まずは支出を減らすために節約しましょう。
例えば、外食を減らして自炊したり、食材をまとめ買いすることで買い物に行く回数を減らしたりする方法がおすすめです。家計簿による支出管理や、固定費の見直しも節約につながります。
保険料や通信費などは見直すことで大きな節約になることもあるため、不要な保障をつけていないか、格安スマホへ乗り換えられないかなどをこの機会に確認するとよいかもしれません。
また、収入があったら先に一定金額を貯金し、残ったお金で生活する習慣をつけるのもよいでしょう。そのほか、投資で資産を増やしたり、老後に備えて生命保険に加入したりするなどの方法もおすすめです。
平均程度の年金をもらっている人はそれほど多くない
令和5年度の厚生年金保険受給者の平均年金月額は14万6429円ですが、平均程度の年金をもらっている人の割合はそれほど多くありません。平均より少ない額の年金を受給している人も一定数いることが分かっています。
65歳以上の単身無職世帯における月の生活費は平均15万7673円なので、月10万円の年金だけでは生活費を補えない可能性があります。
年金受給額が少なくても生活できるよう、食費や固定費を見直したり、先取り貯金を取り入れたりして節約を意識した暮らしを送りましょう。
出典
厚生労働省年金局 令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 (参考資料3)厚生年金保険(第1号)男女別年金月額階級別老齢年金受給権者数(26ページ)
総務省統計局 家計調査報告 家計収支編2023年(令和5年)平均結果の概要 Ⅱ 総世帯及び単身世帯の家計収支 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2023年-(19ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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