“月収約40万円”で独身だった息子、がんにより40歳で他界…。残された母に“月額約4万円”の「遺族年金」を受け取る権利はある?

配信日: 2025.10.29
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“月収約40万円”で独身だった息子、がんにより40歳で他界…。残された母に“月額約4万円”の「遺族年金」を受け取る権利はある?
年金は社会保障制度の一つで、その中に家族を亡くした人が受け取れる遺族年金があります。
 
しかし、遺族年金は誰でももらえるわけではなく、受給するためにはいくつかの条件を満たさなければなりません。本記事では、遺族年金の受給条件やもらえる具体的な金額について解説します。
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「遺族年金」を受給できるのはどんな人?

遺族年金とは、国民年金または厚生年金保険の被保険者が亡くなった際に、その遺族が受け取れる年金です。ここでいう遺族は、亡くなった被保険者によって生計を維持していた人を指します。遺族年金には、以下の二つがあります。
 

・遺族基礎年金

「子のある配偶者」または「子」が受け取れる年金です。
 

・遺族厚生年金

遺族基礎年金とは異なり、幅広い遺族に受給資格がありますが、実際に受け取れるのは受給資格者の中でも優先順位が最も高い人に限ります。以下は、受給者の優先順位です。


1.子のある配偶者
2.子
3.子のない配偶者
4.父母
5.孫
6.祖父母

3または6の父母・祖父母は55歳以上である方に限り、60歳以降から受給可能です。このため、タイトルにある掲題のように息子が死亡した母親の場合、遺族厚生年金を受け取れる可能性があります。なお、上記二つの年金は条件を満たしてさえいれば、並行して受給可能です。
 

“月収約40万円”で亡くなった場合の「遺族厚生年金」は月額いくら?

遺族年金は、死亡した人の国民年金、または厚生年金保険の加入状況によって受け取れる金額が決まります。日本年金機構のホームページによると「遺族厚生年金の年金額は、死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額となります」とのことです。
 
報酬比例部分の計算は、平成15年3月以前の加入期間と平成15年4月以降の加入期間によって決まります。例えば、被保険者が平成18年(22歳)で厚生年金に加入し、平均報酬月額は40万円、40歳で死亡した場合の計算式は以下の通りです。


報酬比例部分=A+B
A=平均報酬月額×5.481/1000×平成15年3月以降の加入期間の月数=なし
B=平均報酬月額×5.481/1000×平成15年4月以降の加入期間の月数(25年未満の場合は300か月とする)
=40万円×5.481/1000×300か月=65万7720円

よって、掲題のケースでもらえる遺族厚生年金の金額は以下の通りです。
 
65万7720×3/4=年額49万3290円≒月額4万1107円
 

「遺族厚生年金制度」は見直しが進められている

2025年6月に成立した年金制度改正法により、遺族年金制度の見直しが進められています。60歳以上で死別した場合はこれまで通り無期限の給付を受けられますが、60歳未満の場合は男女共通で原則5年間の給付期間が定められることになりました。
 
また、有期給付の収入要件(年収850万円未満)の廃止や、有期給付加算と死亡分割による年金額の増額も新たに追加されています。これらの新制度は2028年4月から実施される見込みです。
 
しかし、すでに遺族年金を受給している人や2028年度に40歳以上となる女性などは見直しの影響を受けません。
 

まとめ

国民年金や厚生年金保険の被保険者が亡くなった際、亡くなった被保険者によって生計を維持していた遺族は遺族年金の受給が可能です。
 
遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金の二種類があり、40歳の息子を亡くした母親の場合は遺族厚生年金をもらえる可能性があります。もし制度を利用する場合は、本記事を参考に厚生労働省のホームページも確認してみましょう。
 

出典

日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)2025年6月
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)2025年8月
厚生労働省 遺族厚生年金の見直しについて
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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