10月に「年金振込通知書」が届いた人は要注意!“介護保険料の上昇”や“定額減税の未反映”で損する可能性も!? 通知書で確認すべきポイントとは
本記事では、通知書を受け取った本人やその家族が確認すべきポイントを整理して解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
目次
年金振込通知書とは? 10月発送の背景
年金振込通知書は、支給額や控除内容を知らせる重要な書類です。通常は6月に送付されますが、2025年度は定額減税や介護保険料の変更対応により、10月にも追加で発送されました。今回の通知書が届くのは、主に次のような人とされています。
・年金受給額に変更があった人
・介護保険料や健康保険料などの控除額が再計算された人
・住民税の定額減税が6月時点で反映されていなかった人
つまり、すべての受給者が対象ではなく、金額や控除に修正が生じた人に限定して発送されています。年金額自体は変わらなくても、控除内容が更新されている場合があるため、届いた人は内容を必ず確認しましょう。
前年と比較しておくと誤徴収防止になる
通知書の「支給額」と「控除額」を前年と比較しておくことが、誤徴収を防ぐうえで重要な確認ポイントです。
例えば、控除額が急に増えていたり、前年と比べて支給額が減っていたりする場合は、減税分や所得情報が正しく反映されていない可能性があります。早めに年金事務所や自治体窓口に確認することで、誤った天引きを未然に防げます。
介護保険料が上がった? 所得変動と地域差に注意
介護保険料は全国一律ではなく、市区町村ごとに所得段階別で設定されています。前年の所得が増えた、または扶養の有無が変わった場合には、翌年度の保険料が自動的に変わります。
例えば、課税所得が一定水準を超えると、保険料が月数百円~千円単位で上昇する自治体もあります。また、2025年度は第9期介護保険制度改定により、平均で3.5%前後の値上げが実施されています。
金額の根拠が分からない場合は、自治体の介護保険課(またはそれに類する名称の窓口)へ確認すれば、算定根拠を教えてもらえます。
定額減税が反映されていない場合の対処法
2024年に実施された定額減税は、1人あたり4万円分(所得税3万円+住民税1万円)を減税する制度ですが、年金所得者は申告内容などで反映漏れが生じる場合があります。特に、年金のみで確定申告をしていない人や、扶養家族の情報が古いままの人は注意が必要です。
通知書に減税分が反映されていない場合は、「定額減税補足給付金(不足額給付)」の対象となることがあります。これは、減税で控除しきれなかった分を現金で補う4万円の給付制度で、居住地の市区町村が窓口です。市区町村の公式サイトや広報紙で要件を確認し、該当する場合は申請しましょう。
年金通知書は家計の見直しサイン
年金通知書の内容は、制度改正や控除の影響で複雑なことが多く、本人だけでなく家族が見ても判断が難しい場合があります。本人と家族が一緒に前年との支給額や控除額の差を確認し、分からない点は市区町村の窓口に問い合わせて確認することが大切です。
年金通知書は単なる「明細」ではなく、家計を守るための「見直しのサイン」として活用できます。
出典
日本年金機構 令和7年10月の年金支払いにかかる年金振込通知書を送付しています
執筆者 : 諸岡拓也
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
