誕生日に届いた「ねんきん定期便」を確認したところ、“月額20万円”に満たない年金見込額にびっくり!そもそも厚生年金の平均受給額って“15万円以下”って本当!?
誕生月に届いたねんきん定期便を開封し、記載された将来の年金見込額を見て、思わず愕然とした方もいるのではないでしょうか。年齢を重ねるにつれて不安が増していく老後の生活資金。「人生100年時代」と言われる現代において、老後の生活を支える年金の受給額は気になるのは当然のことでしょう。
本記事では、ねんきん定期便で分かることや平均年金月額、将来の年金受給額を増やすための具体的な方法を解説します。
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そもそも誕生月に届く「ねんきん定期便」とは? なにが分かるの?
ねんきん定期便とは、国民年金および厚生年金保険の被保険者全員に毎年届けられる年金記録が記載された重要な書類です。年金制度への理解を深めてもらうことを目的に、年金記録が記載されたねんきん定期便が毎年誕生月に届きます。
年齢によって形式や記載される内容が異なり、特に35歳と45歳、59歳の被保険者には封書形式で全期間の月別状況など、重要な情報も通知されます。つまり、国民年金や厚生年金の加入状況や納付金額、年金支給見込額などが分かる書類が「ねんきん定期便」です。
厚生年金の平均年金月額は“14万6429円”
厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業の概況 令和5年度」によると、令和5年度末時点で厚生年金保険(第1号)の受給権者平均年金月額は老齢基礎年金の額を含めて14万6429円となっています。
つまり、掲題の「厚生年金の平均受給額って“15万円以下”」は事実というわけです。なお、同資料によると男女別の平均年金月額は65歳以上の男子で16万9484円、女子で11万1479円となっており、男女差が広がっています。
さらに、国民年金受給者の平均年金月額は令和5年度末現在5万7700円であるため、国民年金のみに加入している方は厳しい現実となっています。
将来の年金受給額を増やす3つの方法
将来もらえる年金が想像よりも少なくて不安に感じている方もいるでしょう。最後に、将来の年金受給額を増やす方法を紹介します。
方法1「繰下げ受給する」
繰下げ受給とは、65歳で老齢基礎(厚生)年金を受け取らず66歳以降に受け取るという方法です。66歳以後75歳までの間で繰り下げが可能で、表2のとおり期間に応じて年金額は増額されます。先送りするごとに月額が0.7パーセントずつ増える仕組みで、その増額率は一生変わりません。
方法2「60歳以降も厚生年金に加入し続ける」
原則、国民年金の保険料を納める期間は20歳から60歳までの40年間、厚生年金の保険料を納める期間は70歳までです。60歳以降も働き、加入資格がある場合は、原則70歳まで厚生年金に加入し続けることになります。
方法3「iDeCoなどの私的年金に加入する」
iDeCoとは、公的年金とは別に給付を受けられる私的年金制度を指します。自分で掛金を拠出して、運用方法を自分で選べる年金制度です。
掛金は全額所得控除の対象となるため節税効果も期待でき、運用益も非課税で再投資できるため、税制優遇の高い仕組みと言えます。私的年金は、公的年金だけでは不足する可能性のある老後の資金を補うために、有効な手段のひとつです。
まとめ
年金は老後の生活に欠かせない資金です。ねんきん定期便では、将来もらえる年金額が確認できるため、老後の生活設計を考える上で重要なツールです。
もし、年金見込額が予想よりも低かったとしても、繰下げ受給や私的年金の加入などさまざまな方法で将来の年金受給額を増やせます。安心して老後を送れるように、長期的な視点と計画性をもって早めに準備を始めましょう。
出典
日本年金機構 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています
厚生労働省 厚生年金保険・国民年金事業の概況 令和5年度(10ページ、12・13ページ、19ページ)
日本年金機構 年金の繰下げ受給
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
