部屋を整理していたら「半年前の国民年金保険料3ヶ月分」の支払い用紙を発見! 未納分の「追納」と将来の「任意加入」、どちらが効果的?
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国民年金保険料は原則「毎年4月以降」に納付書が届く
国民年金保険料納付書は、日本年金機構から毎年その年の4月から翌年の3月まで1年分がまとめて届きます。
日本年金機構によると、月ごとの保険料の納付期限は納付対象月の翌月末日です。なお、「納付期限」の表示がある納付書は納付期限から2年後まで送付された納付書で保険料を納められます。一方、「使用期限」の表示がある納付書は使用期限を過ぎると納付書を使っても保険料を納められなくなるため注意しましょう。
また、送付される納付書には各月分だけでなく、上期前納・下期前納・1年分前納用も同梱されます。このように種類が多いため、期間中に紛失したり半期分しか払っていなかったりしてうっかり払い忘れる人もいるかもしれません。
「半年前」の未納分は「早めに納付」しないと差し押さえの恐れも
国民年金には、追納の制度があります。日本年金機構によると、免除期間・納付猶予期間・学生納付特例の期間に対して10年以内であれば追納可能な制度です。一方、単なる納め忘れは滞納分として扱われるため、追納制度とは異なります。滞納分は2年以内まで納付が可能です。
一般的に滞納の場合は、納付督励や催告状、督促状などが届き、届くたびに時効のカウントはリセットされます。そのため、時効である2年経過による支払い義務消滅が起こる可能性は低いでしょう。
なお、所得額300万円以上の人は7か月以上の未納がある場合、差し押さえの対象となるリスクが高まるとされています。半年前の納付書を使用した納付は現時点でも間に合う可能性が高いため、単なる払い忘れの場合は、すぐに納めたほうがよいかもしれません。
「任意加入」が効果的なのは10年より前に「免除期間」がある場合
追納制度は、未納だけでなく全額免除や4分の1免除、および納付猶予(学生納付特例を含む)を受けていた期間に対しても利用できます。
追納すれば、その期間は保険料納付済期間として扱われ、将来の年金額に反映されます。ただし、追納しなかった場合でも、免除制度による見なし納付(国庫負担分)があり、全額免除のケースでは年金額が本来の半分程度になる制度設計です。
一方、任意加入は60歳以降でも国民年金に任意で加入できる制度です。日本年金機構によると、60~64歳の人は以下4つの条件を全て満たすことで任意加入できます。
1.日本国内に住所を持っている人(日本国籍を持っていなくても、一部の在留資格に基づき滞在している場合は対象)
2.老齢基礎年金の繰り上げ受給を受けていない人
3.20~59歳までの保険料の納付月数が480月(40年)未満の人
4.厚生年金保険や共済組合などに加入していない人
どちらを選ぶかはケースによります。追納できる期間(原則10年以内)が残っていれば追納で保険料を補填するのが基本的な方法です。しかし、10年以上経過している免除・猶予期間などを直接追納できない場合は、任意加入によって保険料を積み増して将来の年金受給額を底上げする選択肢が有効でしょう。
まとめ
国民年金は追納できますが、単なる納め忘れは滞納分として扱われるため、追納制度とは異なります。早めに納付しないと差し押さえとなる恐れもあるため、2年以内の滞納であれば任意加入との比較検討をする前に納めたほうがよいかもしれません。
一方、10年以上経過している場合は追納できないため、年金額を増やしたい場合は任意加入する必要があるでしょう。
出典
日本年金機構 国民年金保険料
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
厚生労働省 特定事由について
デジタル庁 国民年金法
厚生労働省 令和6年度の国民年金の加入・保険料納付状況を公表します
日本年金機構 任意加入制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
