「障害年金」の平均受給額は“月額10万円程度”。“年収400万円”、脳梗塞で左手に麻痺が残った私はいくらもらえそうですか…?
障害年金は申請が必要な制度ですが、要件を満たしていれば受給できる可能性があり、生活を支える大きな助けとなります。本記事では障害年金制度の概要や、脳梗塞で左手に麻痺が残った場合の受給額を解説します。
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目次
障害年金の平均受給額は「月額10万円」程度
厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和5年度末時点における障害年金の平均受給金額は10万2691円です。これは基礎年金・厚生年金を合わせた金額で、令和元年度から見ても月額10万円程度で推移しています。なお、障害基礎年金の受給要件は以下の通りです。
1.原因となる病気やけがの初診日が、国民年金の加入期間中、または20歳前、日本国内に住む60歳以上65歳未満で年金制度に未加入の期間にある
2.障害等級表における1級、または2級に該当している
3.被保険者期間のうち、国民年金の保険料納付済期間と免除期間を合わせた割合が3分の2以上である
ただし、3つ目に関しては以下の例外があり、すべての要件を満たす場合は要件を満たしたことになります。
・初診日が令和18年3月末日まで
・初診日時点で65歳未満
・初診日の前日までの直近1年間に保険料の未納がない
また、初診日が20歳前の年金未加入期間にある場合、納付要件は不要です。受給を検討する際は、ねんきん定期便やねんきんネットで要件を確認しましょう。
「脳梗塞による左手の麻痺」は「障害基礎年金・障害厚生年金」の受給要件に該当する可能性
表題の脳梗塞による左手の麻痺のケースであれば、障害基礎年金・障害厚生年金の受給要件に該当する可能性があります。以下は、障害厚生年金を受給するための要件です。
・原因である病気やけがの初診日が、厚生年金保険の被保険者期間中にある
・障害等級表における1級、または2級に該当している
日本年金機構の障害等級表によると、「上肢の機能に著しい障害を有するもの」は2級に該当します。「脳梗塞で左手に麻痺」はその要件を満たす可能性があると考えられます。
・被保険者期間において、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上ある
保険料納付済期間や保険料免除期間はねんきん定期便やねんきんネットなどで確認できます。なお、障害基礎年金の受給要件の3つ目と同様の例外が設けられています。
受給申請の際は、本人の生年月日を明らかにできる書類や医師の診断書などが必要です。詳しくは、日本年金機構のホームページを確認しましょう。
障害等級2級なら受給額は基礎年金・厚生年金合わせて「年間163万円」程度の可能性
仮に障害等級2級と認定された場合の受給額を計算しましょう。受給者の前提条件は以下の通りです。
・等級2級
・65歳未満の配偶者あり
・子どもなし
・年収400万円(平均標準報酬月額34万円)
・国民年金加入は平成15年4月以降
・加入から初診日まで300月未満※障害厚生年金では、被保険者期間が300月(25年)に満たない場合でも、300月として計算する「300月みなし」の仕組みがあります。
日本年金機構の受給要件と年金額を基に、上記の条件で受給できる障害年金を計算してみましょう。
厚生年金の年間受給金額=55万9062円(報酬比例の年金額)+23万9300円(配偶者の加給年金額)
基礎年金の年間受給金額=83万1700円
年間受給金額合計=79万8362円+83万1700円=163万62円
ただし、これはあくまでも目安であり、障害の等級や年収や家族構成によって受給額は変動します。
まとめ
定められた条件を満たしている場合、障害年金の受給が可能です。
障害の等級にもよりますが、平均受給額は約10万円です。脳梗塞で左手に麻痺が残り、「上肢の機能に著しい障害を有するもの」であれば等級2級に該当する可能性があります。
その場合、最大で年間163万円程度を受給できると考えられます。もし受給を検討しているのであれば、本記事を参考に要件や金額を確認しましょう。
出典
厚生労働省 厚生年金保険・国民年金事業の概況
厚生労働省年金局 令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
日本年金機構 障害等級表
日本年金機構 障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額
日本年金機構 障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額
日本年金機構 は行 報酬比例部分
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
