専業主婦が“ねんきん定期便”の「年金額・月4万円」にショック! 40歳から「月20万円」稼いだら、厚生年金で増えますか? 受給金額をシミュレーション
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「ねんきん定期便」で分かること
「ねんきん定期便」は、日本年金機構が年金制度への理解を深めてもらう等の目的で、毎年誕生月に送付しているお知らせです。記載内容は年齢によって異なるため、詳細を図表1にまとめました。
図表1
| 年齢区分 | 送付形式 | 内容 |
|---|---|---|
| 50歳未満(35歳、45歳以外) | ハガキ | ・保険料納付額 ・月別状況(直近13月) ・年金加入期間 ・これまでの加入実績に応じた年金額 |
| 50歳以上(59歳以外) | ハガキ | ・保険料納付額 ・月別状況(直近13月) ・年金加入期間 ・老齢年金の種類と見込額 |
| 35歳、45歳 | 封書 | ・保険料納付額 ・年金加入期間 ・これまでの加入実績に応じた年金額 ・これまでの年金加入履歴 ・月別状況(全期間) |
| 59歳 | 封書 | ・保険料納付額 ・年金加入期間 ・老齢年金の種類と見込額 ・年金加入履歴 ・月別状況(全期間) |
日本年金機構 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしていますを基に筆者作成
40歳の時点に受け取るねんきん定期便で確認できるのは、あくまで「これまでの年金加入実績に基づく年金額」であり、将来受け取ることができる年金の確定した金額ではありません。そのため、年間50万円、月4万円ほどの金額が表示されていても不思議ではないかもしれません。
40歳から“月額20万円程度”稼いだ場合、厚生年金はいくらくらいもらえる?
老後にもらえる老齢厚生年金は、加入時の報酬額や加入期間に応じて計算されます。ここでは老齢厚生年金額=報酬比例部分として、平成15年4月以降に加入した場合を前提に、ボーナスを含めず月額20万円を継続的に稼いだと仮定し簡易的な試算を行います。
厚生年金の報酬比例部分は、「平均標準報酬額×5.481/1000×加入期間(月数)」で計算されます。日本年金機構の「令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和7年度版)」によると、標準報酬月額は14等級の20万円で、平均標準報酬月額も同額となります。
つまり、40歳から60歳までの20年間(12ヶ月×20年=240ヶ月)厚生年金に加入した場合、報酬比例部分は「20万円×5.481/1000×240ヶ月=年間26万3088円」となり、月額2万1924円です。
さらに、20歳から60歳までの国民年金を併せて受給すると満額の月額6万9308円(2025年度)が加わり、合計で月額約9万1232円の年金を受け取れる可能性があるでしょう。
意外と少ない!? 老後にもらえる年金額を増やす3つの方法
上記の金額を「意外と少ない」と感じた場合、対策を講じて老後資金を増やすことはできるのでしょうか。老後の年金受給額を増やす方法として、主に以下の3つの選択肢が考えられます。
・60歳以降も働いて厚生年金に加入する
厚生年金は、加入期間が長いほど報酬比例部分が増えるため、60歳以降も働くことで受給額を増やすことができます。
・年金を繰下げ受給する
65歳から受け取らずに、受給開始を66歳~75歳の間で繰り下げると、繰り下げた月数に応じて年金額が増えます。増額率は1ヶ月あたり0.7%で、繰下げ期間が長いほど増額されます。
・iDeCoなどの私的年金に拠出する
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で掛金を拠出し運用することで資産を形成できます。掛金は全額所得控除の対象となり、運用益も非課税なのが特徴です。直接的に年金の受給額を増やせるわけではありませんが、老後資金を効率的に増やせるかもしれません。
まとめ
老後資金を増やすためには、まず自分の年金加入状況や受給見込額を正しく把握することが大切です。厚生年金や国民年金の受給額を理解したうえで、本記事の情報をもとに繰下げ受給や私的年金などを活用することで、老後資金の不安を解消することができるかもしれません。
出典
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和7年度版)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー