50歳の誕生日に届いた「ねんきん定期便」。“見込額”が「15万円に満たない金額」でがっくり…。亡き父はもっともらっていたそうですが、“年収480万円”だとこの程度なのでしょうか?

配信日: 2025.12.29
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50歳の誕生日に届いた「ねんきん定期便」。“見込額”が「15万円に満たない金額」でがっくり…。亡き父はもっともらっていたそうですが、“年収480万円”だとこの程度なのでしょうか?
老後の生活設計を考えるうえで、「将来いくら年金を受け取れるのか」が気になる方もいるでしょう。厚生年金は現役時代の収入や加入期間によって金額が変わる仕組みですが、平均額やモデルケースを見ると、想像していた印象と異なると感じる場面もあるかもしれません。
 
今回は、厚生年金の平均的な水準を整理したうえで、年収480万円の場合の年金額の目安を試算します。あわせて、公的年金以外の老後への備え方についても確認します。
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老齢基礎年金+老齢厚生年金の平均月額は「15万円以下」

厚生労働省が発表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせた平均月額は、1人あたり14万7360円です。
 
また日本年金機構のホームページには、厚生年金保険のモデル年金(夫婦2人分の基礎年金を含む標準的な年金額)は、令和7年度は月額あたり23万2784円と記載されています。標準的な2人世帯の満額の場合と比較すると、金額はやや低めの印象を受けるかもしれません。
 
なお、日本年金機構から定期的に届く「ねんきん定期便」では、将来受け取れる年金試算が可能となっています。
 

「年収480万円」の年金額の目安はやはり「約14万円程度」の可能性

公的年金である厚生年金の受給額は、現役時代の報酬水準に応じて変動するとされています。ここでは、一定の前提条件を置いたうえで、年収480万円の場合の年金額の目安を試算します。
 
老齢基礎年金については、令和7年度の満額である月額6万9308円を受け取れると仮定しましょう。
 
老齢厚生年金は「報酬比例部分」「経過的加算」「加給年金額」を合算して算出されますが、今回は報酬比例部分のみで計算する前提とします。また、平成15年4月以後に厚生年金へ加入し、報酬はボーナスを含めて40年間ほぼ一定だったケースを想定します。
 
22歳で大学を卒業後、そのまま新卒で就職し、学生納付特例期間についても追納済みとすると、50歳時点での加入月数はおおむね360ヶ月前後となる見込みです。
 
平均年収480万円(月収40万円)の場合、標準報酬月額は24等級の41万円に該当します。老齢厚生年金(報酬比例部分)は、「41万円×5.481/1000×360ヶ月」で計算でき、年額は約80万9000円、月額にするとおよそ6万7000円程度となります。これに老齢基礎年金の6万9308円を加えると、年金額の合計は月14万円前後になる計算です。
 
あくまで前提条件を置いた概算ではありますが、この水準は、平均的な年金額の範囲内と考えられるかもしれません。
 

「公的年金」だけでは不安な場合の老後への備え

公的年金の受給をめぐっては、世代間で受け取り方に差があると指摘されることもあります。また、物価や賃金、社会保険料など、生活環境は変化を続けています。こうした状況を踏まえると、公的年金だけで老後生活を設計することに、不安を感じる方がいても不思議ではありません。
 
まず自分自身でできる対策として、以下があるでしょう。
 

・繰下げ受給により、年金の受給額を増やす
・60歳以降も働き、厚生年金の加入期間を延長
・NISAなどの非課税投資の活用
・長期的な収支バランスを専門家へ相談

 
年代別に挙げるとすれば、子どもの教育資金等が落ち着きつつある50代が、これからの資金計画を見直す良い機会かもしれません。
 

まとめ

ねんきん定期便で確認できるのは、将来受給できる年金見込み額です。年収480万円の本ケースでは、40年働いた場合の年金額は約14万円程度となるようです。ゆとりある老後の生活のため、現役のうちにNISAなどの投資を活用しつつ、資金確保を進めるのも良いかもしれません。
 

出典

厚生労働省 令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況〜表6 厚生年金保険(第1号)受給者平均年金月額の推移
日本年金機構 令和7年からの年金額等について
日本年金機構 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています
全国健康保険協会 令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金
株式会社 明治安田総合研究所 年金の世代間格差=不公平の落とし穴
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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