年金を「月15万円」受け取る夫と、70歳で死別…妻の私は「遺族年金」を受け取れますか? 自分の年金「7万円」と合わせれば、“残りの老後生活”は暮らしていけるでしょうか?
本記事では、約7万円の年金額を例に、老後の生活設計を制度に基づいて整理します。
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目次
“月額15万円程度”の年金を受け取っていた夫と死別した妻はいくら「遺族年金」をもらえる?
日本の公的年金は「2階建て構造」になっており、厚生年金に加入している第2号被保険者は老後に1階の「老齢基礎年金」、2階の「老齢厚生年金」の両方を受け取れます。
老齢基礎年金額は、国民年金の納付月数に応じて決まり、令和7年度における満額は月額6万9308円です。
掲題の夫が20歳から60歳まで保険料を納めていた場合は、15万円(夫の老齢年金額)-6万9308円(老齢基礎年金額)=「8万692円」が、夫の老齢厚生年金額になる計算です。
老齢厚生年金額は、厚生年金に加入していたときの報酬額や加入期間に応じて計算されます。そして、死亡した人に生計を維持されていた遺族が受け取れる遺族厚生年金額は、死亡した人の老齢厚生年金の「報酬比例部分の4分の3の額」です。
夫の「老齢厚生年金額=報酬比例部分」と仮定すると、「8万692円(夫の老齢厚生年金)×3/4=6万519円」となり、妻は月額6万円程度の遺族厚生年金を受け取れる可能性があります。
専業主婦だった妻の年金“月額7万円”と遺族年金“月額6万円”があれば生活はやっていける?
夫の扶養に入っている人は、国民年金第3号被保険者となります。このケースの妻がもらえる老齢基礎年金は、令和7年度における満額で月額6万9308円です。
「65歳以上・老齢基礎年金受給」の条件に当てはまっていれば遺族厚生年金とあわせて受けられるため、6万9308円(妻の老齢基礎年金)+6万519円(遺族厚生年金)=「12万9827円」の年金を月額でもらえる可能性があります。
一方、総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、高齢単身無職世帯の月平均消費支出は14万9286円です。上記の年金から消費支出を差し引くと、12万9827円-14万9286円=「-1万9459円」となってしまい、日々の生活を年金収入だけでやりくりできる可能性は低いでしょう。
「遺族厚生年金制度」の見直しが進められている? 5年間の有期給付になるって本当!?
令和7年6月13日に成立した年金制度改正法では、遺族厚生年金制度について男女差の解消を目的とした見直しが行われました。改正内容は以下のとおりです。
・60歳未満で死別:原則5年の有期給付(配慮が必要な場合は、5年目以降も給付を継続)
・60歳以上で死別:無期給付(現行どおり)
有期給付になる人は
・収入要件(年収850万円未満)の廃止
・年金額の増額(有期給付加算、死亡分割)
などの配慮を受けられるようになります。
以下に該当する人は現在と変更なしです。
・60歳以上で死別された人
・改正前から遺族年金を受け取っていた人
・2028年度に40歳以上になる女性
・こどもを養育する人
なお、この見直しは2028年度から段階的に実施される予定です。
まとめ
夫の死後に受け取れる遺族年金は、老後の生活を支える大切な収入源です。しかし現状では、遺族年金だけでは安心できる水準とはいえないかもしれません。
年金制度は改正が続いており、今後のルール変更によって影響を受ける人もいるでしょう。これからは「不足分をどう補うか」を考えておくことが重要ではないでしょうか。
出典
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要
厚生労働省 年金制度改正法が成立しました
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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