年金機構から「赤い封筒」が息子に届きました…学生で“年収100万円”以下ですが、払わないと「差押えになる」って本当ですか? 収入がないので“放置”させて大丈夫でしょうか?
届いた納付書を放置して未納が続くと、日本年金機構から「特別催告状」と呼ばれる赤い封筒が届くことがあります。本記事では、特別催告状の意味や、学生が利用できる制度について解説します。
CFP
学生でも20歳になったら国民年金に加入する義務がある
日本に住んでいる20歳から60歳未満までのすべての人は、国民年金に加入することが義務付けられています。これは学生であっても同様で、アルバイトなどをしていなくても、20歳になると国民年金第1号被保険者として保険料を納める必要があります。
令和7年度(2025年度)の国民年金保険料は月額1万7510円です。年間に換算すると21万120円となり、収入の少ない学生にとっては決して小さくない金額といえるでしょう。
年金機構から届く「赤い封筒」とは?
国民年金保険料を滞納すると、まず「国民年金未納保険料納付勧奨通知書」というはがきが届きます。このはがきを無視していると、次に届くのが「特別催告状」と呼ばれる封書です。
特別催告状は封筒の色で緊急度が分かるようになっており、最初は青色、次に黄色、そして最終段階では赤色(ピンク色)の封筒で届きます。封筒の色が信号機のように変わることで、状況の深刻さを示しています。
赤い封筒が届いたということは、すでに複数回の催告を無視してきたということです。このまま放置を続けると、「最終催告状」「督促状」「差押予告通知書」と段階が進み、最終的には預貯金や給与などの財産が差し押さえられる可能性があります。
実際に年金保険料の滞納により財産が差押えとなるケースは発生しており、「自分は大丈夫」と安易に考えるのは危険です。
年収100万円以下の学生は「学生納付特例制度」が利用できる
学生で保険料の納付が難しい場合は、「学生納付特例制度」を申請することで、在学中の保険料納付を猶予してもらうことができます。この制度を利用すれば、保険料を支払わなくても未納扱いにはなりません。
この制度の所得基準は、「128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等」です。扶養親族がいない学生の場合、本人の所得が128万円以下であれば対象となります。
例えば、年収100万円のアルバイト収入がある場合、給与所得控除(65万円)を差し引くと所得は約35万円です。これは基準の128万円を大きく下回るため、学生納付特例制度の対象となります。
学生納付特例が承認されると、その期間は年金の受給資格期間として算入されます。また、万一の病気やけがで障害が残った場合にも、障害基礎年金を受け取れる権利が確保されます。
ただし、猶予された保険料を追納しないと、将来受け取る老齢基礎年金の額には反映されない点には注意が必要です。追納は10年以内であれば可能ですので、社会人になってから納付することもできます。
また、この制度は自動的に適用されるわけではありません。市区町村の窓口や年金事務所で申請手続きを行い、承認を受ける必要があります。申請せずに保険料を納めないままでいると、単なる「未納」として扱われてしまいます。
まとめ
学生であっても20歳以上であれば国民年金の加入義務があります。赤い封筒(特別催告状)が届いた場合は、差押えに発展する可能性があるため、早急に対応することが重要です。
掲題のような年収100万円以下であれば学生納付特例制度の対象となる可能性が高いため、届いた書類を放置せず、まずは年金事務所や市区町村の窓口に相談して、申請手続きを行いましょう。
出典
日本年金機構 国民年金保険料
日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
執筆者 : 金子賢司
CFP