母の年金が「月7万円だけ」と聞き衝撃! 30年間「フルタイム勤務」だったのに、厚生年金に“未加入”だそうです。週5で働いていても「国民年金のみ」の理由とは
本記事では、フルタイムでパートとして働いていても厚生年金に未加入だった理由を整理し、今からでも年金額を増やすための対策や、不足分を補う具体的な方法について解説します。
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目次
なぜフルタイムでも厚生年金に未加入なのか?
「週5日、フルタイムで働いていれば厚生年金に加入できる」と考えられがちですが、法律上は例外があります。それが、個人事業所が厚生年金の非適用事務所に該当するケースです。
従業員が常時5人未満の個人事業所、例えば法人化していない個人商店や飲食店、一部のサービス業などでは、厚生年金への加入は義務ではなく任意とされています。
そのため、30年間フルタイムで働いていたとしても、勤務先がこれらの条件に該当する個人事業所だった場合、加入していたのは国民年金のみというケースが生じます。国民年金から支給されるのは、老齢基礎年金だけです。
昭和31年4月2日以後生まれの人の場合、2025年4月分からの老齢基礎年金額は満額で月額6万9308円、年額83万1696円です。厚生年金の上乗せがないため、長年働いていても受給額は月約7万円にとどまります。
基礎年金「月7万円」だけで暮らすリスクと現実
月約7万円の年金だけで生活を維持するのは、現代の日本では厳しい状況です。総務省の家計調査(2024年)によれば、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の1ヶ月あたりの消費支出平均は14万9286円で約15万円となっています。月約7万円の年金で、単身で老後を過ごす場合、毎月約8万円の不足が生じる計算です。
この不足分を貯蓄で補うとすると、20年間で1920万円前後の資金が必要になります。加えて、将来的に介護が必要になった場合の費用なども考慮しなければなりません。
このように、単身で「月7万円」の年金だけでは、健康で自立した生活を続けることは難しく、早めの対策が欠かせません。
今からでも間に合う! 年金を「増やす」3つの対策
もしも40年(480ヶ月)の年金納付済期間に満たない場合は、国民年金の任意加入を検討しましょう。60歳以降65歳まで任意加入し、保険料を納めることで、老齢基礎年金を満額に近づけることができます。
次に、第1号被保険者にとって効率の良い方法が、付加年金への加入です。国民年金保険料に月額400円を上乗せすることで、「200円×付加保険料納付月数」に相当する年金額が一生涯加算されます。
例えば、10年間付加年金を納めた場合、200円×120ヶ月=年額2万4000円が老齢基礎年金に上乗せされます。月額の負担が小さいため、検討する価値は高いでしょう。
また、65歳未満で就労できる状況にあるなら、社会保険完備の職場へ転職し、短期間でも厚生年金に加入することで老齢厚生年金を上乗せすることも可能です。数年の加入であっても、受給額は生涯にわたって増加します。
資産運用と「働くこと」による後付け対策
まず重要なのは、健康なうちはできるだけ長く働くことです。65歳以降もパートなどで月5万円から10万円程度の収入を得られれば、年金と合わせて生活水準を保ちやすくなります。
さらに、年金の繰下げ受給を選択すると、受給開始を1ヶ月遅らせるごとに0.7%ずつ受給額が増え、最大で84%の増額も可能です。就労と繰下げ受給を組み合わせることで、年金額を効果的に高められます。
公的年金の増額と併せて検討したいのが、NISAを活用した後付けの自分年金づくりです。50代や60代からでも、リスクを抑えた運用を行えば、10年後の資金に余裕を持たせることができます。
退職金や預金の一部をNISAで運用し、計画的に取り崩す仕組みをつくることで、月の年金額7万円に数万円のゆとりを加えることも可能です。
今からでも老後を守るための対策をスタートしよう
年金が月7万円であっても、付加年金や任意加入で基礎部分を補強し、就労の継続や繰下げ受給によって受給額を増やすことができます。さらに、NISAなどを活用すれば不足分を補う手段が広がります。
まずは現在の正確な受給見込み額を把握し、不足額を早い段階で可視化することが大切です。今できる小さな上乗せを積み重ねることを、母親に提案してみてはどうでしょうか。
出典
日本年金機構 適用事業所と被保険者
日本年金機構 令和7年4月分からの年金額等について
総務省 家計調査報告(家計収支編) 2024年(令和6年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
