年金の繰り下げ期間中に68歳で父が急逝…未支給年金は25%増額した金額でもらえるんでしょうか?
本記事では、年金の繰下げ受給の仕組みを整理したうえで、繰下げ待機中に亡くなった場合の未支給年金の扱いについて、公的な制度に基づいて解説します。
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年金の「繰下げ受給」とは
老齢基礎年金・老齢厚生年金は、原則として65歳から受給が始まりますが、本人の希望により受給開始を66歳以降75歳までに遅らせることができます。これが「繰下げ受給」です。
繰下げ受給を選択すると、受給開始を遅らせた月数に応じて年金額が増額されます。増額率は1ヶ月あたり0.7%で、最大75歳まで繰り下げた場合には84%増額と、年金額が大きく増える仕組みになっています。
ただし、この増額が適用されるのは、実際に繰下げ請求を行い、受給が開始された場合に限られます。
「未支給年金」とは何か
未支給年金とは、年金を受け取る権利があった人が亡くなった場合に、まだ支払われていなかった年金を一定の遺族が受け取れる制度です。
日本年金機構によると、対象となるのは、亡くなった本人と生計を同じくしていた配偶者、子ども、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹などの遺族に限られます。また、受け取れる順位も決められています。
未支給年金として請求できるのは、亡くなった月分までの年金で、すでに受給権が発生していたにもかかわらず、まだ受け取っていない年金や亡くなった日よりも後に振り込まれた年金が対象となります。
繰下げ待機中に亡くなった場合の取り扱い
重要なポイントは、繰下げ請求は遺族が代わって行うことができないという点です。そのため、繰下げ受給を選択したまま、受給開始前に亡くなった場合、増額された年金が確定することはありません。年金は65歳時点の本来の年金額を基準に計算されます。
今回のケースでは、仮に68歳まで繰下げ待機していたとしても、「約25%増額された年金額」が未支給年金として支払われることはありません。あくまで、65歳時点で受給していたと仮定した年金額をもとに、過去分が一括して未支給年金として支払われます。
年金には時効がある
未支給年金を請求する際、期間に注意が必要です。年金には5年の時効があり、請求時点から5年以上前の年金については、原則として受け取ることができません。
例えば、65歳から68歳までの3年分について未支給年金の請求が可能な場合でも、請求が遅れれば、時効によって一部が受け取れなくなる可能性があります。このため、繰下げ待機中に亡くなった場合には、早めに年金事務所へ相談することが重要です。
まとめ
年金の繰下げ受給を選択していても、繰下げ待機中に本人が亡くなった場合、未支給年金は増額された年金額では支払われません。遺族が受け取れるのは、65歳時点の年金額を基準とした過去分に限られます。
また、年金には5年の時効があるため、未支給年金の請求が遅れると受け取れない年金が生じる可能性もあります。判断に迷う場合は、年金事務所などの公的機関で確認することをおすすめします。制度の仕組みを理解したうえで、必要な対応を検討することが重要といえるでしょう。
出典
日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
