iDeCoで「月1万円」積み立ては“意味がない”ですか? 毎月カツカツですが「月3万円」はないと、老後は安心できないでしょうか?「年収300万・500万・700万円」の節税額も比較

配信日: 2026.01.19
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iDeCoで「月1万円」積み立ては“意味がない”ですか? 毎月カツカツですが「月3万円」はないと、老後は安心できないでしょうか?「年収300万・500万・700万円」の節税額も比較
老後の資産形成で「iDeCo(個人型確定拠出年金)」は有効な方法です。しかし、SNSやインターネットの情報で「月1万円では少な過ぎて意味がない」と目にすることもあり、不安を感じている人も多いのではないでしょうか。
 
iDeCoを使って少額でも着実に積立を継続することには、大きな価値があります。本記事では、月1万円のiDeCo積立がもたらす節税効果や、金額よりも重要な「運用の考え方」について解説するので参考にしてください。
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iDeCoは月1万円でも「確実な得」がある

iDeCoの最大のメリットは、運用益が非課税になることだけでなく、「拠出金(積み立てたお金)が全額所得控除になる」という点です。これは、投資の成績にかかわらず、始めた瞬間から得られる「確実な利益」といえます。
 
月1万円(年間12万円)を積み立てた場合、1年間でどれくらい税金が安くなるのか、所得税と住民税を合わせた税率を仮定してシミュレーションしてみましょう(図表1)。なお、復興特別所得税は考慮しておらず、控除状況により正確な税率は異なります。
 
図表1

年収 所得税率 住民税 年間節税額
300万円 5% 10% 1万8000円
500万円 10% 10% 2万4000円
700万円 20% 10% 3万6000円

国税庁 所得税の税率、給与所得控除、基礎控除より筆者作成
 
「たった1万円」と思われがちですが、年収500万円の人なら毎年2万4000円のキャッシュバックを受けているのと同じ状態になります。もし30年間続ければ節税額は合計72万円で、これは預金では得られない「確実な利益」です。
 

「月3万円」でないと老後は安心できない?

最終的な受取額は、積立額が多いほど大きくなります。しかし、ここで注目すべきは「時間の力(複利効果)」です。
 

「少額×長期」が「多額×短期」を超える

利回り3%で運用できたと仮定し、「少額×長期」と「多額×短期」で試算してみましょう。
 
月1万円を30年間積み立て、合計360万円拠出した場合、最終積立金額約579万円(うち運用益は約219万円)です。月3万円を10年間積み立て、合計360万円を拠出した場合、最終積立金額は約418万円(うち運用益約58万円)という結果になります。
 
同じ合計360万円を投資しても、早くから月1万円で始めた前者のほうが、後から慌てて3万円ずつ始めた後者よりも、最終的に160万円以上多く資産を築けます。
 
「今は月1万円しか出せないから意味がない」と先延ばしにすることが、実は一番もったいない選択なのです。
 
もちろん、月3万円の積立を30年間続けた場合は、最終積立金額は約1736万円(うち運用益は約656万円)となり、ニュースでも話題になった「必要な老後資金は2000万円」の金額に近づけられます。
 

iDeCoで「月1万円」が賢い選択になる3つの理由

iDeCoの特性を理解することで、金額を無理に増やさなくても、月1万円の積立のメリットが見えてきます。
 

1. 資金のロック対策

iDeCoを利用する際の最大の注意点は、原則60歳まで資金を引き出せないという点です。無理して月3万円を拠出し、手元の現金が足りなくなっても、iDeCoからお金を戻すことはできません。
 
住宅購入といったライフイベントだけでなく、病気や失業による収入減が起こる可能性もあります。無理に積立額を上げず月1万円で「節税の権利」だけを確保し、余ったお金は流動性の高いNISAや現金預金に回すのが、リスク管理としておすすめです。
 

2. 継続こそが最大の力に

投資では、相場が下がったときに怖くなってやめてしまうことや、家計が苦しくなって解約(積立停止)してしまう人もいます。月1万円という「家計に響きにくい金額」であれば、どんな不況のときでも淡々と積立を続けやすいでしょう。
 
投資の世界では、「長く市場に居続けること」が成功の鍵です。
 

3. 途中で増額・減額ができる

iDeCoの掛金は、年に1回変更が可能です。「今は月1万円だけど、子どもが独立したら月3万円に増やす」「昇給したら5000円上乗せする」といった柔軟な対応ができます。
 
途中で「月1万円では老後が不安」と感じた場合には、「老後にいくら必要なのか」という目標を明確にしたうえで、増額するかどうかを検討するとよいでしょう。
 

iDeCoの1万円積立は意味あり。可能なら増額も検討しよう

iDeCoで月1万円の積立は、節税面でも資産運用の面でも十分に「意味」があります。「月3万円積まないと安心できない」と自分を追い込む必要はなく、大切なのは「早く始めること」と「長く続けること」です。
 
月に1万円という金額は、継続しやすい金額です。将来60歳になったとき、「たった1万円だけど」と踏み出した一歩によって、きっと良い結果が得られるでしょう。また、ライフスタイルに合わせて金額を増減するなど、無理なく長期的に続けることで、老後の安心にもつながります。
 

出典

国税庁 No.2260 所得税の税率
国税庁 No.1410 給与所得控除
国税庁 No.1199 基礎控除
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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