60歳で定年退職した夫が「再雇用なら月給が10万円下がる」と言われました。厚生年金や将来の年金額にはどれくらい影響が出るのでしょうか?

配信日: 2026.01.25
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60歳で定年退職した夫が「再雇用なら月給が10万円下がる」と言われました。厚生年金や将来の年金額にはどれくらい影響が出るのでしょうか?
60歳で定年退職を迎え、再雇用として働き続ける家庭は少なくありません。一方で「月給が10万円下がる」と聞くと、生活費だけでなく厚生年金や将来の年金額まで減ってしまうのでは、と不安になりますよね。
 
実は再雇用後の給与は、厚生年金の保険料や将来の年金額に一定の影響があります。ただし影響の大きさは「働く期間」や「下がる前の給与水準」によって変わります。ここでは仕組みをわかりやすく整理します。
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再雇用で月給が下がると、厚生年金の保険料はどう変わる?

再雇用で月給が10万円下がると、厚生年金保険料の計算基準となる「標準報酬月額」が下がるため、毎月の保険料負担は軽くなる傾向があります。標準報酬月額は給与額に応じて区分されており、給与が下がると区分も下がりやすいためです。
 
保険料が下がること自体は手取りにとってプラスですが、その分だけ将来の年金計算に反映される報酬も小さくなります。つまり、再雇用後は「負担は減るが、年金の上乗せ分も小さくなる」という関係になります。
 

将来もらえる年金額はどれくらい減る? 影響の考え方

厚生年金の将来額は、ざっくり言えば「加入していた期間」と「報酬(標準報酬月額など)」に比例して増減します。そのため、再雇用で月給が10万円下がれば、60歳以降に積み上がる厚生年金の増え方は以前より緩やかになります。
 
ただし「すでに長年厚生年金に加入してきた人」ほど、60歳以降の数年間の差は全体から見ると限定的になりやすい点も重要です。
 
逆に、60歳以降も長く働く予定がある場合は、その期間が長いほど差が積み重なるため影響が大きくなります。年金額の変化は一律ではなく、「何歳まで働くか」で体感が変わると考えると理解しやすいでしょう。
 

60歳以降も厚生年金に入るメリットはある? 減額だけではないポイント

再雇用で給与が下がると年金額が増えにくくなる一方、厚生年金に加入し続けるメリットもあります。たとえば、厚生年金に加入していれば、将来の老齢厚生年金が少しずつでも上乗せされますし、働き方によっては健康保険の扶養に入るより保障が厚いケースもあります。
 
また、加入期間が長いほど受給額が積み上がるため、たとえ月給が下がっても「働いた分だけ年金が増える」仕組み自体は変わりません。
 
さらに、給与水準が下がることで保険料負担も下がり、家計のキャッシュフローが改善する可能性もあります。単純に「年金が減る」と決めつけず、家計全体でメリット・デメリットを比較することが大切です。
 

在職老齢年金との関係に注意! 収入によっては年金が減る可能性も

60歳以降は、働きながら年金を受け取る場合に「在職老齢年金」の調整が入ることがあります。これは一定以上の賃金と年金額があると、年金の一部または全部が支給停止になる仕組みです。
 
再雇用で月給が10万円下がった場合、支給停止の対象から外れたり、停止額が減ったりすることがあり、結果として「手取りベースではむしろ増える」ケースもあります。
 
つまり、給与が下がる=損とならない可能性がある点がポイントです。在職老齢年金の影響は収入と年金額の組み合わせで決まるため、給与ダウン後にどう変わるのかを確認しておくと安心につながります。
 

年金額の不安を減らすには? 夫婦で確認したい3つのこと

再雇用後の年金への影響を把握するには、まず「いつまで働くか」を夫婦で話し合うことが重要です。働く期間が長いほど厚生年金の上乗せは続くため、給与ダウンの影響も含めて試算しやすくなります。
 
次に、ねんきん定期便やねんきんネットなどで、現時点の見込み受給額を確認しておくと、将来像が具体的になります。
 
最後に、家計の固定費を見直し、再雇用後の手取りで無理なく生活できる設計をしておくと、年金額の多少の増減に振り回されにくくなります。不安は「見える化」することで軽くなるため、情報整理から始めるのがおすすめです。
 

再雇用の給与減は「年金が少し増えにくくなる」が、全体最適で判断を

再雇用で月給が10万円下がると、厚生年金保険料の基準となる標準報酬月額が下がり、将来の年金の上乗せ分も小さくなります。ただし影響の大きさは、60歳以降に働く年数や元の給与水準によって変わり、必ずしも大幅な減額になるとは限りません。
 
また在職老齢年金の調整が軽くなることで、手取りが改善するケースもあります。夫婦で「働く期間」「受給見込み」「家計の見直し」を整理し、年金だけでなく生活全体で納得できる選択をすることが大切です。
 

出典

日本年金機構 退職後継続再雇用された方の標準報酬月額(注1)の決定方法の見直し
日本年金機構 在職老齢年金の支給停止の仕組み~働きながら年金を受けるときの注意事項~
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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