企業型DCで「月2万円」積立しています。20年で“老後安心できる”くらい増えますか? 元本の「1.7倍」運用益を得られる場合も…利回り「0.01%・3%・5%」でシミュレーション

配信日: 2026.01.25
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企業型DCで「月2万円」積立しています。20年で“老後安心できる”くらい増えますか? 元本の「1.7倍」運用益を得られる場合も…利回り「0.01%・3%・5%」でシミュレーション
多くの企業で導入されている企業型確定拠出年金(以下、企業型DC)は、老後の生活資金を支える制度の一つです。企業が掛け金を拠出し従業員が運用するもので、その掛け金と運用益によって受取額が決まります。したがって、掛け金が同額であっても運用商品の選び方によって資産の増え方は変わります。
 
では、利回りによって将来の受取額にはどれほどの差が生まれるのでしょうか。本記事では、毎月2万円を20年間積み立てた場合を3つのパターンでシミュレーションし、老後の備えとしてどの程度増えるのかを解説します。
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企業型DCの月2万円が生み出す節税のメリット

企業型DCを活用する際、まず理解しておきたいのが税制上の優遇措置です。毎月の掛け金は全額が所得控除の対象となるため、所得税や住民税が軽減される仕組みとなっています。
 
同じ金額を給与として受け取った場合は所得税・住民税が差し引かれますが、企業型DCの掛け金については課税されません。また、企業型DCで積み立てた資産を受け取る際にも税制上の優遇措置が適用されます。
 
一時金として受け取る場合は「退職所得控除」、年金形式で受け取る場合は「公的年金等控除」が適用されるため、老後資金づくりとして最大限に活用したい制度です。
 

運用利回りで差が出る? 20年後のシミュレーション

企業型DCにおいて、将来の受取額を左右する要素は、積立額の多さだけではありません。運用利回りが資産形成に大きく影響します。
 
ここでは例として、利回り0.01%(元本確保型)、3%(バランス型)、5%(インデックス・パッシブ運用想定)の3パターンを例に、20年後の積立総額を比較してみましょう。
 

1. 元本確保型(利回り0.01%)の場合

まず、リスクを避けて定期預金などの「元本確保型」を選んだ場合をシミュレーションしてみます。年利0.01%で推移したと仮定すると、元本の合計は月2万円×12ヶ月×20年で480万円となり、運用益は約4800円にとどまります。20年後の合計額は約480万4800円です。
 
元本確保型は資産を守る力はあるものの、インフレを考慮すると実質的な資産額が目減りする可能性もあり、大きく増やすという目的を達成するのは難しいと言えるでしょう。
 

2. バランス型(利回り3%)の場合

次に、「バランス型」を例にシミュレーションしてみます。バランス型とは、株式や債券、REIT(不動産投資信託)など、複数の資産に分散投資された投資信託で、リスク分散と長期的な資産形成を目指せる商品タイプです。
 
利回り3%を想定したケースだと20年後の積立総額は、元本480万円に加えて運用収益174万円が加わり、合計654万円になります。元本の3割近くが運用収益として上乗せされる計算です。
 
元本確保型と比べると174万円の差が生まれるため、大きなリスクを取らずに資産を増やしたい人に選ばれやすい商品と言えます。
 

3. インデックス投資、パッシブ運用(利回り5%)の場合

次に、「インデックス投資」で積極的に運用し、年利5%を達成できた場合をシミュレーションしてみましょう。インデックス投資(パッシブ運用)とは、日経平均株価やS&P500などの市場指数に連動して運用する手法で、長期投資の場合は年率5%〜9%程度が目安とされることもあります。
 
利回り5%で運用した場合、20年後の積立総額は、元本480万円に対して運用収益が332万円加わり、合計812万円となります。元本の約1.7倍となるため、非常に魅力的な数字です。
 
月2万円の積立でも、運用の力を活用すれば、老後資金の大きな柱になり得ることが分かります。
 

月2万円の積立だけで老後は安心と言えるのか?

月2万円の積立投資で800万円程度の資産形成が見込めれば、老後への安心感は高まります。ただし、この金額だけで十分と言い切るには、公的年金とのバランスを考慮する必要があります。
 
日本年金機構によると、令和7年度(昭和31年4月2日以後生まれの方の場合)における、厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は月額23万2784円です。
 
仮に老後の生活費が月27万円必要だとすると、毎月約4万円の不足が生じる計算です。これを20年間補う場合、必要な資金は約960万円です。先ほどのシミュレーションと照らし合わせると、月2万円の積立を年利5%以上で運用できれば、不足分を補う柱として十分に機能すると考えられます。
 
ただ、老後資金がどれだけ必要になるのかはそれぞれ違うため、まずは老後にどのくらいの生活費がかかるのかを算出し、必要な額を把握しましょう。そして、運用益を期待できる投資信託による運用を選択肢に入れることが、老後の安心につながります。
 
もちろん投資には価格変動のリスクがありますが、20年という長期視点で考えれば、一時的な下落から回復する可能性も十分にあると考えられます。
 

20年後の安心を確かなものにするために

企業型DCで月2万円を積み立てることは、運用次第で800万円を超える資産形成につながる可能性のある取り組みです。ただ、元本確保型のみでは必要となる老後資金から不足する心配があるため、投資信託等を組み合わせた運用も検討すると良いでしょう。
 
まずはどのくらいの老後資金が必要なのか、受給予定の年金額や生活費からおおよその目安を把握し、老後安心できるのか、それとも資金が足りないのかを把握しましょう。節税効果を生かしながら長期的な視点で運用を続け、公的年金を補完する「自分年金」を着実に育てていけると良いですね。
 

出典

日本年金機構 令和7年4月分からの年金額等について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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