「ねんきん定期便を捨てた」と言ったら、友人から「それって大丈夫?」と言われました。年金の受給に何か影響はありますか?
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。
捨てても再発行は可能
郵便物を整理する際に、捨ててしまうこともあると思われます。「毎年届くし、それほど重要ではない」と判断する人もいるのではないでしょうか。しかし、“それほど重要ではない”と考えるのは早計です。ねんきん定期便は、老齢年金の将来見込み額に関するお知らせです。
「公的年金だけでは生活できない」というシニアの声を聞きますが、実際は公的年金が生活資金の柱になっています。だからこそ「ちゃんと払っておけばよかった」と後悔する人が多いのです。
ねんきん定期便が重要な理由は以下の2つがあります。
(1)これまでの保険料納付記録
(2)加入実績に応じた年金額や将来の見込み額
これらを簡単に確認するツールなのです。
それぞれを詳しく見る前に、紛失した場合の対処法を知っておくと安心です。ねんきん定期便は、再発行が可能です。「ねんきん定期便・ねんきんネット専用番号」(0570-058-555 ナビダイヤル)に電話で申し込むと、最新の情報(年金加入記録)を基に作成した「ねんきん定期便」が送られてきます。
ただ、届くまで2~3ヶ月程度の時間がかかります。「ねんきんネット」では、郵送より早く電子版「ねんきん定期便」を確認できます。年金見込み額の試算もできます。詳細は日本年金機構ホームページ(※1)を参照ください。
ねんきん定期便で何が分かるの?
ねんきん定期便はどのような内容なのか、年齢別に送られてくる内容の違いは図表1のとおりです。
(図表1)
このように、年齢によって内容が少し違います。日本年金機構のホームページでは、年齢別の「ねんきん定期便の見方」が説明されていますので、ご自身の定期便を手元に参照していただくと理解しやすいです(※2, 3)。
「ねんきん定期便で確認できる2つの重要事項」について補足します。
(1)これまでの保険料納付記録
「最近の月別状況です」欄を要確認です。「漏れ」や「誤り」がないかチェックして、あれば年金事務所に問い合わせてください。転職などで加入区分が変更になった場合は、特に注意が必要です。
(2)加入実績に応じた年金額や将来の見込み額
50歳未満の場合は、実績に応じた年金額が分かります。年額なので少なく感じますが、一生涯受給できる金額です。昨年との比較も記載されていますので、増えたことが可視化できます。
50歳以上の場合は、老齢年金の受給見込み額が分かります。あくまで、60歳まで現在の加入条件が継続していると仮定して試算していることには注意が必要です。「65歳時点でどのくらいの金額が受給できるのか」これは、老後資金を準備するうえで、大きな指標になる金額です。
年に一度のルーティンとして活用
ねんきん定期便は捨てていなくても、未開封や確認していないケースも多いと思われます。ここまで見てきたように、将来の老後資金を準備するうえで、とても重要な金額が分かる優れものです。また、“老後のために”とiDeCoやNISAで資金を準備することは大切です。
「年金の不足分を補うために」って、その金額はいくらなのか? 目標金額の概算が分かれば安心です。「貯めても貯めても不安で……」と、今の生活を削って節約していませんか?
「何とかなるさ……」と、老後破産への道を進んでいませんか? 数字で自分の将来を把握しておく機会ですので、ねんきん定期便を通じて1年に一度点検することをお勧めします。
出典
(※1)日本年金機構 「ねんきんネット」をご活用ください!
(※2)日本年金機構 令和7年度「ねんきん定期便」(ハガキ)の見方(50歳未満の方)
(※3)日本国民年金 令和7年度「ねんきん定期便」(ハガキ)の見方(50歳以上の方)
日本年金機構 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています
日本年金機構 Q 「ねんきん定期便」を汚損、き損、紛失したのですが、再発行はできますか。
執筆者 : 宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士


