銀行から父に「年金の受け取りはぜひウチで…」と連絡が! なにか“銀行側にメリット”はあるのでしょうか? 受け取り先を決めるポイントも確認

配信日: 2026.02.20
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銀行から父に「年金の受け取りはぜひウチで…」と連絡が! なにか“銀行側にメリット”はあるのでしょうか? 受け取り先を決めるポイントも確認
老齢年金の受給が近づくと、「年金のお受け取りは当行でいかがでしょうか」といった銀行からの営業電話や案内を受けることがあります。
 
特にこれまで取引のなかった銀行から連絡が来ると、「なぜわざわざ?」と疑問に感じる人も多いのではないでしょうか。年金はどこで受け取っても金額は同じです。それでも銀行が積極的に勧めてくるのには、ちゃんとした理由があります。
宇野源一

AFP

銀行が「年金はウチで」と勧めてくる理由とは?

銀行が年金の受取口座を勧める最大の理由は、年金が非常に安定した資金だからです。老齢年金は原則として2ヶ月に1回、決まった時期に振り込まれます。受給が始まれば、その後は長期間にわたって継続するのが一般的です。
 
銀行にとって、こうした定期的に入ってくる資金は魅力的です。給与振込と同じように、年金受取口座は「生活の中心となる口座」になりやすく、自然と預金残高も一定水準を保ちやすくなります。その結果、公共料金の引き落としや日常の支払いなども同じ口座に集まりやすくなるのです。
 
また、年金世代は長年の貯蓄があるケースも多く、銀行側から見れば「長く付き合える顧客」と捉えられます。そのため、営業コストをかけてでも年金受取口座を獲得したいと考える銀行が多いのです。
 

年金受取口座が銀行の利益につながる仕組み

銀行の基本的なビジネスモデルは、預金を集めてお金を貸し、その利ざやで利益を出すことです。普通預金であっても、銀行は集まった資金を企業や個人向けの融資、さまざまな運用に活用しています。つまり、年金として振り込まれるお金も、銀行にとっては利益を生む「原資」になります。
 
さらに、年金受取口座をきっかけに、ほかの金融商品につながる可能性も高まります。定期預金の案内や、投資信託、保険商品の提案などを受けた経験がある人もいるでしょう。これは、年金が入金されることで資産状況が把握しやすくなり、銀行側が提案しやすくなるためです。
 
もう1つのポイントは、一度決めた年金受取口座は変更されにくいという点です。手続きが面倒だと感じる人も多く、結果として長期間同じ銀行を使い続けるケースが少なくありません。銀行にとっては、安定した取引関係を長く続けられる点も大きなメリットになります。
 

年金の受取先はどう選ぶ? 利用者が重視したいポイント

もっとも、銀行側にメリットがあるからといって、利用者が不利になるとは限りません。年金の受取先は、自分にとって使いやすいかどうかを基準に選ぶことが大切です。
 
まず確認したいのは、ATMの場所や利用しやすさ、手数料です。自宅の近くに支店やATMがあるか、時間外手数料がかからないかなどは、日常生活に直結します。また、インターネットバンキングやスマートフォンアプリが使いやすいかどうかも重要でしょう。
 
窓口での対応やサポート体制も、人によっては重視したいポイントです。一方、頻繁な金融商品の勧誘を負担に感じる場合は、無理に応じる必要はありません。年金受取口座はあくまで「お金を受け取るための手段」であり、営業提案を受け入れる義務はないのです。
 
銀行から勧められたからという理由だけで決めるのではなく、自分の生活スタイルや価値観に合っているかを冷静に考えたうえで選ぶことが、後悔しない年金受取につながります。
 

まとめ

銀行が年金の受取先として自行を勧めてくるのは、年金が定期的かつ長期間にわたって振り込まれる、非常に安定した資金だからです。年金受取口座は生活の中心になりやすく、預金残高の安定やほかの金融商品への提案にもつながるため、銀行にとって大きなメリットがあります。
 
一方、年金額はどの銀行で受け取っても変わりません。大切なのは、営業トークに流されることなく、ATMの利便性や手数料、サポート体制など、自分の生活に合った銀行を選ぶことです。年金受取先は「勧められたから」ではなく、「使いやすいから」という視点で判断することが、後悔しない選択につながるでしょう。
 
執筆者 : 宇野源一
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