老後の年金は「会社員+専業主婦」だと“23万円”しかもらえない!? 老後資金は「1500万円必要」と聞きますし、わが家の老後は厳しいですか? 貯蓄1000万円のケースで試算
本記事では、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額である、いわゆる「モデル年金額」を参考に、現代の水準において必要な老後資金について解説します。
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令和8年度の「モデル年金」は“月額23万7279円”
モデル年金とは、「夫が厚生年金に加入して平均的な男子賃金で40年間就業し、その配偶者が40年間にわたり専業主婦である場合の2人分の基礎年金と夫の厚生年金の合計額」を指します。
年金額は、前年の消費者物価指数(生鮮食品含む)を踏まえ決定されます。令和8年度は、令和7年度から国民年金(基礎年金)が1.9%の引上げ、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%の引上げとなりました。
これにより、令和8年度のモデル年金額(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は23万7279円 (前年度比+4495円)となります。
現在の水準で必要な「老後資金」は“約1500万円”
話題になった老後2000万円問題とは、2019年の金融庁の金融審議会による市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」にて提起された数値をきっかけに広がったものです。
報告書では、夫 65 歳以上、妻 60 歳以上の夫婦のみの無職世帯では、毎月の不足額の平均が約5万円であり、まだ 20~30 年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で 1300 万~2000 万円になるとされています。
ここで、現在の水準で必要な老後資金を試算してみましょう。総務省統計局による令和7年度家計調査(家計収支編)から、夫婦高齢者世帯(65歳以上の夫婦1組の世帯)の無職世帯の月間収支の平均値は以下のようになります。
・実収入(無職の場合、公的年金+特別収入など):25万4395円
・実支出(生活費+税金+社会保険料など):29万6829円
・実収入-実支出=25万4395円-29万6829円=-4万2434円
つまり、毎月4万2434円の貯蓄の取り崩しが生じるため、老後30年では4万2434円×12ヶ月×30年=1527万6240円以上の貯蓄が必要といえるでしょう。
年金と“1000万円の貯蓄”だけで老後生活は成り立つ?
上記は、年金以外の特別収入を含む実収入での試算となっています。仮に令和7年度のモデル年金額である23万2784円で生活する場合、毎月6万4045円の不足、つまり30年で約2300万円の取り崩しが生じる可能性があり、1000万円の貯蓄があったとしても大幅に生活資金が不足する恐れがあります。
令和8年度のモデル年金額で試算した場合でも、30年で約2144万円の取り崩しが生じます。2000万円問題の構図は、提唱時から大きな変化はないといえそうです。
まとめ
令和8年度のモデル年金額は、月額23万7279円です。試算では30年で約2144万円の取り崩しが生じるため、掲題の貯蓄1000万円があったとしても、約1144万円の取り崩しが生じる可能性があります。
今後は早めの段階からNISA(ニーサ)やiDeCo(イデコ)などを活用し、老後を見据えて資産運用することが大切になるでしょう。物価や生活費の変動リスクを踏まえた備えが重要です。
出典
厚生労働省 令和8年度の年金額改定についてお知らせします
金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」
総務省統計局 家計調査 / 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 2025年
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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