年金受給中にパートで働くと「かえって損になる」と聞きました。月「10万円」ほどの収入でも影響はあるのでしょうか?

配信日: 2026.03.25
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年金受給中にパートで働くと「かえって損になる」と聞きました。月「10万円」ほどの収入でも影響はあるのでしょうか?
老齢年金を受け取りながら働く場合、「収入が増えると年金が減ってしまうのでは」と不安に感じる人もいるのではないでしょうか。とりわけ、パートで「月10万円」程度の収入を得るケースでは、「働いた分だけ損になるのか」が気になるところでしょう。
 
もっとも、年金が調整されるのは、すべての老齢年金受給者ではありません。また、収入があるだけで直ちに年金が減る仕組みでもありません。本記事では、「在職老齢年金」の仕組みと、月10万円のパート収入が受給額に与える影響を整理します。
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「在職老齢年金」は働くと必ず減る制度ではない

「在職老齢年金」とは、厚生年金保険に加入しながら老齢厚生年金を受ける60歳以上の人について、賃金と老齢厚生年金の額に応じて、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止されることがある仕組みです。ここで調整対象になるのは老齢厚生年金であり、老齢基礎年金は調整の対象外とされています。
 
日本年金機構によれば、令和8年4月からは、「年金が減額になる基準額(賃金と老齢厚生年金の合計)が月51万円から月65万円」に引き上げられるということです。つまり、令和8年度は「賃金」と「老齢厚生年金の基本月額」の合計が65万円以下であれば、老齢厚生年金は全額支給される仕組みです。
 
このため、「年金受給中に働くと損になる」と一律に考えるのは正確ではありません。実際には、一定額を超える収入がある場合に調整がかかる制度と整理したほうが実態に近いでしょう。
 

月10万円のパート収入だけで受給額が減る可能性は高くない

では、今回のケースのように、パートで月10万円稼ぐと、年金受給額に影響はあるのでしょうか。
 
在職老齢年金では、「基本月額」と「総報酬月額相当額」を合計して判定します。日本年金機構によると、基本月額とは、加給年金額を除いた老齢厚生年金の報酬比例部分の月額です。一方、総報酬月額相当額とは、その月の標準報酬月額に加え、直近1年間の標準賞与額の合計を12で割った額を足したものです。
 
ここで、仮にパート収入が月10万円で、賞与がないとします。この場合、総報酬月額相当額もおおむね月10万円前後で考えることになります。すると、年金が減額されるかどうかは、令和8年4月以降の場合、老齢厚生年金の基本月額を加えた合計が65万円を超えるかで決まります。
 
例えば、老齢厚生年金の基本月額が月12万円の人であれば、月10万円の賃金と合計しても22万円です。令和8年度の基準額である65万円を大きく下回るため、在職老齢年金による支給停止は生じないと考えられます。つまり、月10万円程度のパート収入だけで年金が減るケースは、一般的には多くないとみられます。
 

影響が出るのは「厚生年金に加入して働く場合」が中心

もっとも、注意したいのは、在職老齢年金はおもに厚生年金保険に加入しながら働く人が対象になるという点です。したがって、働いていても就業条件などによっては厚生年金保険に加入しないケースもあり、その場合は在職老齢年金による調整の前提自体が異なってきます。
 
また、同じ「月10万円」でも、賞与がある場合や、老齢厚生年金の額が高い場合には合計額が増えるため、個別事情によっては影響が出る可能性もあります。このため、単純に月収だけで判断するのではなく、自分の老齢厚生年金の基本月額や賞与の有無も含めて確認することが重要です。
 

まとめ

年金受給中に働くと必ず損になるわけではなく、在職老齢年金で調整されるのは、厚生年金保険に加入しながら働き、賃金と老齢厚生年金の基本月額の合計が基準額を超えた場合です。令和8年度はその基準額が月65万円に引き上げられます。
 
このため、パートで月10万円程度を稼ぐケースでは、老齢厚生年金の額が特に高くない限り、受給額に直ちに影響しない可能性が高いと考えられます。
 
もっとも、賞与の有無や加入状況、老齢厚生年金の金額によって結論は変わります。制度上は「働いたら損」ではなく、「一定額を超えたときに老齢厚生年金が調整される」と理解し、自分の年金額と勤務条件を照らし合わせて判断することが重要といえるでしょう。
 

出典

日本年金機構 在職老齢年金制度が改正されます
日本年金機構 在職老齢年金の計算方法
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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