年金を「70歳」まで繰り下げて42%の増額を受けたいと考えています。受取額が増えるのは魅力ですが、医療保険料や介護保険料も上がってしまうのでしょうか?

配信日: 2026.03.27
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年金を「70歳」まで繰り下げて42%の増額を受けたいと考えています。受取額が増えるのは魅力ですが、医療保険料や介護保険料も上がってしまうのでしょうか?
年金は原則として65歳から受け取れますが、希望すれば60歳から受け取れます。逆に、65歳から受け取らず、もっと後に受給を遅らせることもできます。
 
今回のケースでは、相談者は年金を繰下げ受給したいと考えていますが、それによって医療保険料や介護保険料が増えないか心配しているようです。
 
本記事では、年金の繰下げ受給と、医療保険料および介護保険料の関係について解説します。
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年金の繰下げ受給の概要

年金の「繰下げ受給」とは、老齢基礎年金および老齢厚生年金を65歳で受け取らず、66~75歳のどこかのタイミングで受け取り始める制度です。
 
繰下げ受給をすると、受給できる年金額が増えます。具体的には、振替加算額を除く「老齢基礎年金の額」と、加給年金額を除く「老齢厚生年金の額」に、「増額率」を乗じた額が加算されて支給されます。
 
日本年金機構によると、増額率は以下の計算で算出可能です。
 
0.7%×65歳に達した月から繰下げ申請をした月の前月までの月数
 
1ヶ月繰下げるごとに、0.7%ずつ増額率が増えていきます。増額率の上限は「84%」です。
 
今回のケースでは70歳までの繰下げを考えています。請求時の年齢が70歳の場合、増額率は42%です。
 
仮に受け取れる年金額が15万円であるとしましょう。この場合、増額率が42%だと、6万3000円増えることになり、最終的に「21万3000円」を受給できる計算です。
 

年金からは各種税金・保険料が天引きされる

上記の「21万3000円」はあくまで額面上の金額であり、手取りとは異なります。給与から天引きされて、手取りが額面の金額から目減りしてしまうように、年金からも各種税金や保険料が天引きされます。
 
例えば以下のような項目があります。
 

・国民健康保険料(75歳未満)または後期高齢者医療保険料(75歳以上)
・介護保険料
・所得税
・住民税
・森林環境税

 
今回のケースの相談者も医療保険料と介護保険料について心配しています。では、繰下げ受給によって年金の受給額が増えると、具体的にどのような影響があるか見ていきましょう。
 

年金額が増えると天引きされる保険料の額も増える

結論から言うと、もし繰下げ受給によって受給できる年金額が上がってしまうと、それに応じて医療保険料や介護保険料も上がってしまう可能性が高いです。
 
あるシミュレーションによると、以下の条件において年金額が21万3000円の場合、国民健康保険料は月ベースで「約1万3200円」、後期高齢者医療保険料は月ベースで「約1万2000円」です。
 

・国民健康保険料の条件:東京都文京区在住、70歳~75歳未満、扶養親族なし
・後期高齢者医療保険料の条件:東京都文京区在住、75歳以上、扶養親族なし

 
これに対し、繰下げ受給せずに年金額が15万円のままである場合、国民健康保険料は月ベースで「約7200円」、後期高齢者医療保険料は月ベースで「約6000円」です。
 
どちらのケースにおいても、繰下げ受給している場合のほうが、天引きされる額は大きくなっています。
 
介護保険料についても、同シミュレーションによると、数百円ほどの差とはいえ、繰下げ受給するほうが天引き額は上回りました。
 
保険料のほかに所得税や住民税についても、やはり繰下げ受給によって、それぞれ数千円の負担増になっています。
 
とはいえ、繰下げ受給をして額面が増えると天引き額も増える反面、最終的な手取り額も増えることが一般的です。
 
事前に金額のシミュレーションをして、繰下げ受給することに金銭的メリットがあるか検討するとよいでしょう。
 

繰下げ受給で年金額が増えると保険料負担も増える

年金を繰下げ受給すると受給額が増えます。繰下げ期間が長いほど、将来受け取れる金額も多くなりますが、額面が増えることで税金や保険料など天引きされる項目の負担も増えます。
 
ただし、天引き額が多くなったとしても、一般的に手取り額は繰下げ受給しないときより多いため、繰下げ受給するメリットは十分あるともいえるでしょう。
 

出典

日本年金機構 年金の繰下げ受給
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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