熟年離婚する友人に「夫の分で年金1000万円もらえる」と聞きビックリ! 私もずっと“専業主婦”でしたが、離婚でそんなに増えるんですか? 増える額と「計算方法」を確認

配信日: 2026.04.11
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熟年離婚する友人に「夫の分で年金1000万円もらえる」と聞きビックリ! 私もずっと“専業主婦”でしたが、離婚でそんなに増えるんですか? 増える額と「計算方法」を確認
離婚後の生活設計において、老後の収入をどう確保するかは重要な問題です。婚姻期間中に夫の扶養に入っていた妻の場合、国民年金の保険料は支払われている一方、厚生年金の保険料は支払われていません。
 
国民年金だけの場合、厚生年金ほど年金受給額が高くないことから、老後の生活費をまかなうことは難しい可能性があります。そのような状況で活用できるのが「年金分割制度」です。
 
本記事では、年金分割制度の仕組みと、分割によって増える年金額の計算方法を解説します。
小熊晋平

1級ファイナンシャル・プランニング技能士

年金分割の仕組み

「年金分割制度」は年金そのものを分けるのではなく、婚姻期間中の厚生年金記録を当事者間で分割する制度です。なお老齢基礎年金については年金分割の対象にはなりません。
 
年金分割には合意分割と3号分割の2種類があります。
 

・合意分割:お互いの合意または裁判手続によって2分の1を上限として分割割合を決めます。
 
・3号分割:2008年4月以降に第3号被保険者(会社員や公務員などに扶養されている配偶者)であった期間が対象で、合意分割とは異なり相手の合意なく単独で請求でき、分割割合は一律2分の1です。

 

離婚後に増える年金額の目安

厚生労働省によると、離婚に伴う年金分割を行った場合、年金分割を受ける側の平均年金月額は分割前の6万934円から分割後に9万4509円へと増加しています(令和6年度末現在)。つまり、年金分割によって月額3万3575円の上乗せが見込める計算です。
 
65歳女性の平均余命は24年(令和6年簡易生命表より)で、89歳まで年金を受け取ると仮定すれば、増加額は3万3575円×12ヶ月×24年で合計約967万円になります。タイトルの事例において友人が話していた「約1000万円」は、この統計データと近い金額です。
 

友人のケースで計算すると?

さきほどの友人のケースについて、年金分割によって受け取れる金額を具体的に計算してみます。まず状況を整理しましょう。
 

・婚姻期間は1996年4月から2026年3月までの30年間
・夫の平均標準報酬月額(2003年3月までの給与による基準額):30万円
・夫の平均標準報酬額(2003年4月以降の給与と賞与による基準額):50万円
・2分の1ずつ分割することに双方が合意(よって今回は3号分割は考慮しません)

 
年金分割の対象となる厚生年金の報酬比例部分は、加入時期によって計算式が変わります。今回のケースでは以下のようになります。
 

・1996年4月から2003年3月まで(84ヶ月)
30万円×乗率7.125/1000×84×2分の1=年額8万9775円=月額7481円
 
・2003年4月から2026年3月まで(276ヶ月)
50万円×乗率5.481/1000×276×2分の1=年額37万8189円=月額3万1516円

 
合計で月額約3万9000円の年金分割が見込める計算になります。年額では約46万8000円、65歳から89歳までの24年間で受け取ると総額約1123万円です。このように、夫の収入によっては厚生労働省の統計による平均の約967万円を上回ることもあります。
 
なお50歳以上の場合は、年金事務所で分割後の年金見込額を事前に確認することができます。実際の金額が気になる人は、一度相談してみてはいかがでしょうか。
 

2026年4月から請求期限が延長される

年金分割の請求には期限があります。従来は離婚した日の翌日から2年以内とされていました。しかし、改正により、2026年4月1日以降に離婚した場合は請求期限が5年以内に延長されることになりました。なお、2026年4月1日より前に離婚した場合には、引き続き2年以内の期限が適用されます。
 
離婚届を提出しても年金は自動的に分割されないため、離婚が成立した後は早めに手続きを進めることが大切です。年金分割は老後の収入を守るための権利です。離婚後はまず最寄りの年金事務所に足を運び、手続きを始めましょう。
 

出典

厚生労働省 令和6年簡易生命表
日本年金機構 離婚時の年金分割
 
執筆者 : 小熊晋平
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

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