大学時代「学生納付特例」で年金の支払いを免除していました。追納の案内が届いたのですが、今から払うと将来の年金はどのくらい増えるのでしょうか?
今回は、学生納付特例の概要や追納でいくらくらい年金額を増やせるのか、また追納以外に年金を増やせる制度などについてご紹介します。
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目次
学生納付特例とは
学生納付特例とは、在学中に国民年金保険料の支払いを猶予してもらえる制度です。日本年金機構によると、扶養親族等がいない場合、所得が「128万円+社会保険料控除等」以下の学生であれば申請できます(扶養親族等がいる場合は所得基準が変わります)。
学生納付特例を利用すると、学生の間は国民年金保険料を支払わずに済むため、金銭的な負担が減る点がメリットです。一方で、あくまでも支払いの猶予であるため、卒業後に追納をしなければ、将来受け取れる年金は減ることになります。
追納の有無で年金額はいくらくらい変わる?
年金の追納をすると、将来受け取れる年金額を増やせます。猶予を受けていたものの、将来の年金額をしっかり確保したい人は、追納した方がよいでしょう。猶予を受けた期間は年金の受給資格期間に加えられるものの、追納をしない限り年金の計算に用いられる期間には反映されないためです。
なお、受給資格期間とは、年金を受け取るために必要な年金の加入期間を指します。日本年金機構によると、日本の公的年金では、国民年金、厚生年金、共済組合の加入期間もすべて含めて、受給資格期間が合計10年必要とされています。
同じく日本年金機構によると、学生納付特例を利用していた人が1年間分の追納をすると、年金額は年間で約2万円増えるとされています。
また、追納により支払った年金保険料は、その年の社会保険料控除に加算できるようです。社会保険料控除は所得控除で、金額が増えると課税対象になる所得額が減り、結果として節税につながる点がメリットです。
学生納付特例の追納保険料はいくらくらい?
追納をする際の保険料は、どの年度から支払うかで変わります。令和8年度に支払う場合、1ヶ月当たりの追納保険料の金額は次の通りです。
・平成28年度:1万6850円
・平成29年度:1万7070円
・平成30年度:1万6900円
・令和元年度:1万6950円
・令和2年度:1万7070円
・令和3年度:1万7110円
・令和4年度:1万6990円
・令和5年度:1万6770円
・令和6年度:1万6980円
・令和7年度:1万7510円
なお、追納ができるのは追納が認められた月の前10年以内までの分です。また、3年よりも前の分の追納には、加算額が加わっています。
追納以外で年金額を増やせる方法はある?
追加で年金を支払うのは難しいものの、年金額は少しでも増やしたい、という場合、繰下げ受給の選択肢もあります。繰下げ受給とは、年金の受け取るタイミングを本来の65歳よりも遅らせることで、「遅らせた月数分×0.7%」の割合で年金を増やせる制度です。
例えば、70歳まで繰り下げると42%増額した金額を受け取れます。本来の年金額が100万円だったとすると、142万円で年間42万円の増額です。
ただし、繰り下げ期間中は貯金や給料のみで生活することになるため、繰下げ受給を検討する場合は65歳以降の生活費を考えて用意しておく必要があるでしょう。
1年分を追納すると年金額は年間2万円程度増える可能性がある
追納制度は、国民年金保険料の猶予や免除を受けていた人が、あとから保険料を納付することで将来の年金額を増やせる制度です。学生納付特例を受けていた場合、1年分を追納することで年間2万円程度増えると示されています。
ただし、追納できるのは追納が認められてから10年以内の分です。卒業してから10年以上経過したあとで申請をしても、全額は追納できない可能性が高いです。追納をしたい場合は、できるだけ早く申請した方がよいでしょう。
なお、追納以外に繰下げ受給で年金額を増やす方法もあります。ご自身の将来について考える際に参考にしてみるとよいでしょう。
出典
日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
日本年金機構 年金用語集 さ行 受給資格期間
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー