なぜ国民年金は「月7万円程度」とこんなに少ないのですか? 国民年金だけで暮らしている人はいるのでしょうか?
今回は、国民年金や厚生年金の違い、もらえる年金額の例をご紹介します。あわせて、将来の年金額を増やす方法もチェックしていきましょう。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
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日本の年金制度は3階建て
まずは、日本の年金制度を確認します。日本の年金制度は、全国民が加入しなければいけない「国民年金」(1階部分)、会社員や公務員の人が加入する「厚生年金」(2階部分)、さらに年金を増やしたい人が私的に加入する「企業型確定拠出年金」や「個人型確定拠出年金」(3階部分)に分けられます。
自営業やフリーランスなど個人で仕事をしている人が加入しているのは、国民年金です。年金を増やしたいと考えている場合、個人型確定拠出年金にも加入できます。一方、会社員や公務員は国民年金と厚生年金に加入し、勤務先に制度があれば企業型確定拠出年金や個人型確定拠出年金にも加入できます。
令和8年度の年金額
では実際、今の年金受給者は、いくらくらい年金を受け取っているのか、チェックしていきましょう。厚生労働省の資料によると、令和8年度の年金額の例は、以下の通りとなっています。
・国民年金(老齢基礎年金(満額)1人分):7万608円
・厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額):23万7279円
国民年金と厚生年金に加入している会社員などの場合、夫婦2人で約24万円の年金を受け取ることができます。一方で、国民年金だけの場合、1人分で約7万円、夫婦2人とも国民年金の場合は約14万円となり、厚生年金に加入しているケースと比較すると、約10万円の差が生まれます。
厚生年金の年金保険料は、本人と会社が折半して支払っています。会社分の支払いも合わせると、国民年金に比べて多く保険料を支払っているため、将来もらえる年金が多くなります。
なお、国民年金の令和8年度の年金額例(満額1人分)は、前年度に比べ1300円増額されています。
国民年金だけでは生活できない?
夫婦2人とも国民年金に加入していた場合、毎月もらえる満額の年金額は約14万円です。どんな生活水準の暮らしをするかにもよりますが、家賃が高い都心に住んでいる場合や、今後も日本で物価高が続く場合は、14万円では生活ができないという方も多いでしょう。
年金や、自分たちの貯蓄だけで生活することができないという方は、実際にいらっしゃいます。国民年金の保険料を一部納めておらず、満額で年金がもらえない場合などは、さらに生活が苦しいでしょう。そのような方は、一定の条件を満たし手続きを行えば、生活保護を受給することができます。
ただし、生活保護をもらうのは、最後の手段と認識しておきましょう。できるだけ、自分の貯蓄や年金で家計をやりくりするのが理想的です。
現在、まだ現役で働いている方は、個人型確定拠出年金を活用して年金を増やす、NISAで資産運用をする、貯蓄を増やすなど、将来に向けて、お金を増やしていくことが大切です。
さらに、65歳など高齢になっても、体が元気なうちは、仕事をして、定期的な収入を得ることを目指しましょう。長く働くことができれば、それだけ経済的に豊かな老後の生活を送ることが可能です。
まとめ
今回は、年金の仕組みや、もらえる年金額の例、年金の増やし方などをご紹介しました。
本記事の内容を参考にしながら、自分は将来年金がいくらもらえるのか、貯蓄と年金で生活費は足りているのか、今から老後資金を増やす方法はないかなど、ぜひ具体的に老後のマネープランを立ててみましょう。
出典
厚生労働省 令和8年度の年金額改定についてお知らせします
執筆者 : 下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
