「企業型DC・NISAで運用」“月2万円”ならどちらがお得?「税金・社会保険料・運用利回り」など踏まえると、DCのほうが“掛け金が非課税”で有利? 43年後の資産額をシミュレーション

配信日: 2026.04.23
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「企業型DC・NISAで運用」“月2万円”ならどちらがお得?「税金・社会保険料・運用利回り」など踏まえると、DCのほうが“掛け金が非課税”で有利? 43年後の資産額をシミュレーション
企業型確定拠出年金(企業型DC)は、2025年3月時点で約5万8000の企業で導入されており、増加傾向にあります。会社によっては、掛金を企業型DCとして積み立てるか、給与として受け取るかを選べる制度を採用している場合もあります。
 
企業型DCで運用するのと、給与として掛金を受け取って自分で投資するのでは、どちらが有利になるのか判断に迷う人も多いかもしれません。どちらが有利なのかは、税金や社会保険料の負担、運用利回り、資金の引き出し制限などを総合的に考える必要があります。
 
今回は、企業型DCの制度内容と、22歳から65歳までの43年間運用することを想定した場合の資産額について解説します。
東雲悠太

FP2級、日商簿記3級、管理栄養士

企業型DCとは?

企業型DCは、会社が拠出する掛金を従業員が自分で運用し、老後資金として積み立てていく制度です。企業型DCの大きな特徴は、税制面の優遇です。掛金は給与として扱われないため、所得税や住民税の課税対象にならず、運用益も非課税となります。
 
また、社会保険料の算定対象にもなりません。そのため、同じ2万円でも、給与として受け取る場合より、多くの金額をそのまま投資に回すことが可能になります。
 
一方で、注意点もあります。企業型DCで積み立てた資産は、原則として60歳まで引き出せません。また、運用できる商品が会社ごとに決められており、自分の希望通りの商品を選べない場合があります。
 

企業型DCの掛金を給与で受け取る場合の注意点は?

企業型DCの掛金を給与として受け取って、自分で運用するという方法も考えられます。NISAであれば運用益が非課税となるため、税制面の差は小さいようにも見えますが、給与として受け取る場合には、所得税や住民税、社会保険料が差し引かれます。
 
税金や社会保険料として差し引かれる額は年収によって差がありますが、一般的な会社員では年収の15~25%程度です。
 
例えば、企業型DCの掛金を給与として月2万円受け取る場合、投資に回せる手取りは1万5000~1万7000円程度になります。給与で受け取る場合は、企業型DCで運用するよりも投資元本が少なくなる点が大きな違いです。
 

企業型DCと自分で運用する場合の比較シミュレーション

22歳から65歳まで掛金を給与として受け取り自分で運用した場合、企業型DCに比べて、資産額にどの程度の差が生じるのか試算してみましょう。自分で運用する場合はNISAを利用し、運用益は非課税と仮定します。
 
一方、企業型DCは受け取り時に退職所得や雑所得として課税対象になりますが、各種控除が適用されるため運用後の資産額のみで比較します。試算条件は次のとおりです。


・運用利回り:年3%
・毎月の投資額

  企業型DC:2万円
  給与受け取り:1万5000円
・積立期間:43年間

※企業型DCの掛金は、会社の制度によって将来的に変動する可能性もありますが、今回は試算を簡略化するため一定の額としています。
 
試算した結果は次のとおりです。


・企業型DC:2080万円
・給与受け取り:1560万円

投資に回せる元本の違いにより、企業型DCのほうが520万円多い結果となりました。この差を運用利回りでカバーしようとすると、年4%前後の利回りで運用できれば、企業型DCとほぼ同じ資産額になります。
 
給与で受け取って投資する場合は、企業型DCよりも高い利回りを実現できるかどうかが重要なポイントといえるでしょう。
 

自分に合った資産形成方法を選ぼう

企業型DCは、掛金が所得税や住民税の対象にならず、社会保険料もかからないため、給与で受け取って投資するより多くの資金を運用に回せます。この元本の違いによって、22歳から65歳まで43年間積み立てた場合、520万円の差がつく試算結果となりました。
 
一方、企業型DCは原則として60歳まで引き出せません。資金の自由度を重視する場合には、給与として受け取ってNISAで運用するという選択肢もあります。制度の特徴を理解したうえで、自分の資産形成の方針に合った方法を選びましょう。
 

出典

運営管理機関連絡協議会 確定拠出年金統計資料(2025年3月末)
 
執筆者 : 東雲悠太
FP2級、日商簿記3級、管理栄養士

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