転職が多く「昔の会社なんて覚えてない」と放置して“年金62万円”をもらい損ねる!? 企業年金は“請求書の未提出者”が「約106万人」…なぜ高額なのに請求されないのか

配信日: 2026.04.27
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転職が多く「昔の会社なんて覚えてない」と放置して“年金62万円”をもらい損ねる!? 企業年金は“請求書の未提出者”が「約106万人」…なぜ高額なのに請求されないのか
日本の年金制度は基本的に2階建て構造というのは、知っている人も多いと思いますが、勤めていた会社の制度によっては、公的年金に上乗せして受け取れる3階部分の企業年金が存在する場合があります。
 
しかし、転職によって定年退職までに複数の会社に勤めていたような場合、数十年前に在籍していた会社の制度を覚えている人は少ないのではないでしょうか。実際に、もらえるはずの企業年金が放置されているケースが多いのです。
 
本記事では、企業年金の未請求が生じる理由と、受け取れる権利の有無を確認する方法を解説します。
小熊晋平

1級ファイナンシャル・プランニング技能士

企業年金は公的年金に上乗せされる3階部分の年金制度

企業年金には、確定給付企業年金・企業型確定拠出年金・厚生年金基金といった種類があり、国民年金・厚生年金の上に位置する3階部分の年金制度にあたります。以前在籍していた会社がこれらの制度を導入していた場合、加入期間などの受給要件を充たすことで、退職後に企業年金を受け取れる権利が生じます。
 
企業年金の管理・給付を行う企業年金連合会によると、確定給付企業年金の平均額は年61万8000円(令和6年度末現在)です。総務省の家計調査では65歳以上の夫婦のみ無職世帯の消費支出の平均が月約26万4000円なので、確定給付企業年金の平均額は65歳以上の無職夫婦が2〜3ヶ月暮らせる生活費に匹敵します。
 

なぜ企業年金は請求されないのか?

高額にもかかわらず企業年金を放置するケースが多いのが現状で、企業年金連合会によると請求書の未提出者は約106万人(令和7年3月末時点)にのぼります。未請求が生じる主な原因として、次の3点が挙げられます。
 
1点目は、住所の不一致です。転職や転居のたびに居住地が変わると、企業年金連合会に登録されている住所との間にズレが生まれ、請求書が届かなくなります。一般的に、転職を重ねるほど住所変更の機会が増えるため、複数の会社を経験してきた人は特に注意が必要です。
 
2点目は、氏名の照合エラーです。結婚などで姓が変わった場合や、在籍時に登録した読み仮名が戸籍の正式表記と食い違っている場合、システム上で同一人物として認識されなくなり、請求書の送付先を割り出せなくなることがあります。
 
3点目は、在籍期間が短いことによる思い込みです。厚生年金基金の場合は加入期間が1ヶ月以上あれば受給対象になる可能性があります。国の年金のように10年以上の加入期間は必要ないので、「短期間しか在籍していなかったから関係ない」と諦めている人も、確認してみるとよいでしょう。
 

記録の確認と問い合わせの手順

企業年金に心当たりがある人は、まず企業年金連合会のウェブサイトで年金記録を照会しましょう。電話で直接相談したい人は、企業年金コールセンターに問い合わせることもできます。
 
問い合わせの際には、氏名・生年月日・住所・基礎年金番号等が分かるようにしておきましょう。氏名や住所の変更歴が複数ある人は、旧姓や旧住所もできるだけそろえておくと照合がスムーズになります。
 

まとめ

企業年金について「そういえばあの会社、どうだったかな」と少しでも思い当たれば、企業年金連合会のウェブサイトや電話相談で一度確認してみてください。過去に勤めていた会社が企業年金制度を設けていたかもしれません。
 
転職回数が多い人や、結婚などで氏名・住所が変わった人は、気づかないうちに請求書が届かない状況になっているケースも少なくありません。受け取れる年金を増やして、老後の家計にとって心強い収入源を確保しましょう。
 
執筆者 : 小熊晋平
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

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