親の死後「未支給年金15万円」をもらい損ねショック! 口座凍結でも、国は“親切に教えて”はくれない…死後手続きで忙しくても「知っておくべき年金の仕組み」とは
実は、口座を凍結したせいで、親がもらうはずだった「未支給年金」が振り込まれず、宙に浮いてしまうケースが多発しています。「えっ、遺族の口座に勝手に振り込んでくれないの!?」と驚く人もいるかもしれません。
数十万円もの大金が、遺族の知らないところで受け取れないままになってしまうのは悔しいですよね。本記事では、もらい損ねた年金を取り戻すための具体的な方法を解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、第一種/第二種電気工事士、医療情報技師、2級ボイラー技士、ボイラー整備士
目次
口座凍結で年金が弾かれる!? 知らないと損する「未支給年金」のカラクリ
年金は、亡くなった月の分まで全額を受け取る権利があります。例えば、親が1月に亡くなった場合、亡くなった日が1日であろうと31日であろうと、1月分の年金は1ヶ月分全額支給される仕組みです。
しかし、年金は「後払い」であるため、1月分の年金が実際に支払われるのは翌月の2月以降となります。ここで問題になるのが、銀行口座の凍結です。
遺族がすぐに銀行へ連絡して口座を止めてしまうと、後から国が振り込んだ年金が口座に入らず、弾かれて戻ってしまいます。残念なのは、国は「口座に入らなかったから別の方法で払いますね」と親切にお知らせしてくれないことです。
遺族が自分から年金事務所へ出向いて「未支給年金」の請求手続きをしない限り、1円も受け取ることができません。毎日仕事でクタクタになりながら親の死後の手続きに奔走しているのに、制度の仕組みを知らないだけで大金を失ってしまうのはあんまりですよね。
平均15万円の損失! いったい誰が受け取ることができるのか
厚生労働省の最新データによると、厚生年金を受け取っている人の平均年金月額は約15万円です。もし2ヶ月分の未支給年金が残っていたら、それだけで約30万円もの大金になります。
自分たちの住宅ローンや子どもの学費だけでも精一杯なのに、お葬式代で数百万円が飛んでいくような状況で、この金額をもらい損ねるのはあまりに痛手です。
この未支給年金を受け取ることができるのは、亡くなった人と生計を同じくしていた遺族と決められています。配偶者、子ども、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、その他3親等内の親族の順番で優先順位が決まっており、誰でももらえるわけではありません。
しかし、たとえ離れて暮らしていても、仕送りやお見舞いなどの援助を定期的にしていた事実があれば「生計を同じくしていた」と認められるため、初めから諦める必要はないのです。
今からでも遅くない!? 請求手続きと5年のタイムリミット
すでに親の口座を凍結してしまい、もらい損ねてしまったと焦っている人も安心してください。
未支給年金を受け取る権利は、年金が支払われるはずだった日から5年以内であれば消滅しません。もし心当たりがある場合は、今すぐ手続きを始めることをおすすめします。手続きには、主に以下のような書類が必要です。
・亡くなった人の年金証書
・亡くなった人と請求する遺族の続柄が分かる戸籍謄本
・亡くなった人の住民票の除票
・請求する遺族の世帯全員の住民票
・受け取りを希望する金融機関の通帳
これらを準備して、近くの年金事務所または街角の年金相談センターへ提出します。有休を取って手続きのために役所を回るのはしんどいですが、残業代やボーナスを増やすよりずっと確実に手元のお金が増えます。
親が長年一生懸命に働き、納め続けた大切な年金です。もらえる権利があるものは、きっちり受け取りましょう。
出典
日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき
厚生労働省 令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
執筆者 : 西村和樹
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、第一種/第二種電気工事士、医療情報技師、2級ボイラー技士、ボイラー整備士
