夫が「企業型確定拠出年金」のある会社に転職! 自分で“掛け金を上乗せできる”そうですが、それなら「iDeCoのほうが良い」のでは?「月2万円×20年」のケースで比較
本記事では、マッチング拠出とiDeCoのどちらを選ぶか迷ったときに、押さえておきたいポイントを解説します。
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目次
企業型確定拠出年金とは?
企業型確定拠出年金(企業型DC)とは、企業が掛金を拠出し、従業員自らが運用商品を選んで資産形成を行う年金制度です。運用の結果によって将来受け取れる金額が変動し、公的年金にプラスアルファで備える、自分専用の退職金作りとして活用されています。
企業が拠出する掛金は全額損金算入され、従業員側の運用益も非課税です。
マッチング拠出なら自分で掛金の上乗せも可能!
企業型確定拠出年金で、企業の掛金に加えて、従業員本人が給与から掛金を上乗せできる仕組みを「マッチング拠出」といいます。自分で賭金を上乗せすることで投資の元本が増えるため、運用がうまくいった場合はそれだけ得られる利益も大きくなります。
ただし、マッチング拠出を利用できるのは、企業が制度として導入している場合のみです。
「企業型×マッチング拠出」と「iDeCo」、自分で拠出するならどちらを選ぶべき?
個人型確定拠出年金(iDeCo)は、企業型確定拠出年金を導入していない企業の従業員はもちろん、自営業や主婦(夫)などほぼ誰もが利用できます。掛金は全額自己負担となりますが、自分で選んだ金融機関のラインナップから投資先を決められる、といった柔軟性の高さが魅力です。
iDeCoと、企業型確定拠出年金のマッチング拠出は併用できず、どちらか一方を選ぶ必要があります。また、これまで、企業型確定拠出年金におけるマッチング拠出には以下のような制限がありました。
・拠出額の合計(企業の掛金+自分の掛金)は月額5万5000円が上限(iDeCoも同様)
・自分の掛金が、企業の掛金を超えてはならない
例えば、企業の掛金が1万円の場合、マッチング拠出の掛金は1万円未満に抑えなければなりません。一方、企業型確定拠出年金に加入している場合、iDeCoの掛金は、企業の掛金との合計が月額5万5000円を超えない範囲で上限2万円です。
そのため、これまでは企業の掛金が少ない場合はiDeCo、掛金が多い(2万超~3万5000円未満)場合はマッチング拠出を選ぶのがおすすめと言われることがありました。
しかし、令和7年度の税制改正により「自分の掛金が、企業の掛金を超えてはならない」という制限は廃止されました。さらに、拠出額の合計の上限額は月額6万2000円に引き上げられます。
今後は、企業の掛金が少ない場合でも、マッチング拠出でより柔軟に掛金を設定できるようになります。具体的には、企業の掛金が4万2000円未満であれば、iDeCoよりも多くの金額を投資することが可能です。
なお、iDeCoは加入時に手数料が発生し、運用開始後も口座管理手数料がかかります。口座管理手数料は毎月発生するため、運用期間が長くなるほどまとまった金額になりやすい点に注意が必要です。
月額2万円×20年積み立てた場合で手数料分の差額をシミュレーション
月々2万円を20年間、年利3%で運用した場合、運用益は176万6040円になることが予想されます。
iDeCoの場合は、ここから加入時の手数料2829円と、口座管理手数料がかかります。口座管理手数料は金融機関によって異なりますが、仮に171円とすると20年間の合計は4万1040円です。
そのため、iDeCoを選ぶ場合は、マッチング拠出と比べておよそ4万5000円の差額が生じると考えられます。
iDeCoを選ぶメリットとは?
iDeCoは手数料がかかり、今後はマッチング拠出よりも掛金が少なくなるケースも増加しますが、運用商品を自由に選べるのは大きなメリットです。
企業型確定拠出年金のなかには、いまだに年利が1%を下回るような商品が残っている場合があります。そのため、勤務先の企業型確定拠出年金の商品によっては、iDeCoを選択するほうがより多くの運用益を期待できる可能性があります。
掛金や手数料だけでなく、運用商品や手続きの手間などを総合的に判断することが大切です。
マッチング拠出の柔軟性は高まるが、依然iDeCoのメリットも大きい
企業型確定拠出年金では、マッチング拠出の柔軟性が高まり、従来よりも多くの金額を投資しやすくなります。iDeCoとは異なり手数料がかからない場合が多いため、同じ金額・年数・利回りで積み立て投資をするなら、手元に残るお金を増やしやすいでしょう。
ただし、iDeCoには運用商品を自由に選べるというメリットがあります。勤務先の取扱い商品によっては、年利が低い場合もあるので注意が必要です。
出典
厚生労働省 確定拠出年金制度の概要
自由民主党 令和7年度税制改正大綱
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー