専業主婦で「年金6万円」の予定ですが“夫の扶養”を外れて、40歳から「月収15万円」稼ぎたいです。20年で“将来の年金額”はどのくらい増えますか? 専業主婦から「正社員」は目指せるでしょうか?
本記事では、家族の扶養を外れる年収ラインや、実際に20年間働いた場合に将来の年金受給額がどの程度アップするのか解説します。
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家族の扶養を外れる年収ライン
家族の扶養を外れるラインは、「税法上の扶養」と「社会保険(健康保険・厚生年金)上の扶養」でそれぞれ異なります。
税法上の扶養
令和8年度の税制改正により、所得税の基礎控除や給与所得控除が見直されました。これにより、所得税における「年収の壁」は、178万円まで引き上げられました。専業主婦の人が働き始めても、年収178万円までであれば所得税はかかりません。
ただし、現在パートナーの扶養に入っている人は、配偶者控除の適用ラインにも注意が必要です。
配偶者控除は、被扶養者の合計所得金額が58万円以下の場合に適用されます。給与所得のみの場合、年収123万円が配偶者控除を受けられるラインです。
なお、配偶者控除の収入要件を超えて働いても、収入が一定以下であれば配偶者特別控除が適用されます。控除金額が段階的に設定されているため、年収123万円を超えても、配偶者の手取りが直ちに減るとは限りません。
社会保険上の扶養
社会保険の扶養を外れる基準には、大きく分けて「130万円の壁」と「106万円の壁」の2つがあります。
130万円の壁は、全ての被扶養者に共通する原則的な基準です。年収が130万円以上の人は原則的に家族の扶養を外れ、自分で勤務先の社会保険に加入する必要があります。
一方、従業員数が51人以上の企業で働く場合は、以下の要件を満たすと扶養から外れます。
・週の所定労働時間が20時間以上
・月額賃金が8万8000円以上(年換算で約106万円)
ただし、上記のうち「月額賃金が8万8000円以上」とする賃金要件は、2026年10月をめどに撤廃される予定です。さらに、今後は「従業員が51人以上」とする企業規模要件も段階的な撤廃が予定されています。
扶養を外れて20年働いたら、年金はどのくらい増える?
表題のケースでは月収15万円で働く予定なので、年間収入は180万円となり、税法上と社会保険上の扶養をいずれも外れると考えられます。勤め先の厚生年金にも加入するので、将来的には老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金を受け取れます。
40歳から60歳までの20年間、月収15万円で働き続けた場合、厚生年金の受給額は年21万円です。月額換算すると、月々受け取れる年金はプラス1万7500円となります。仮に、65歳から85歳までの20年間年金を受給すると考えると、トータルで上乗せされる年金は420万円となり、将来の安心を増やせるでしょう。
なお、扶養を外れる経済的なメリットは、将来受け取れる年金額だけではありません。これまで1馬力だったのが2馬力となることで世帯全体での所得が増えれば、将来に備えた貯蓄もしやすくなります。
専業主婦から正社員を目指すことは可能?
正社員として働くことは、収入と待遇のどちらにおいてもメリットがあります。月々の給料が安定するため、子どもの学費や日々の暮らしに必要な貯金がしやすくなるでしょう。
長年専業主婦の人でも、自身の適性と市場のニーズがマッチすれば、正社員を目指すことは十分可能です。まずはパートから始めて、正社員へのステップアップを目指すのも手段の1つです。
扶養を外れて働くことは、将来の安心を増やす選択肢の1つ
専業主婦が働き始めて厚生年金に加入すれば、将来の年金受給額は確実に増えます。必ずしも扶養を外れることが正解とは限りませんが、将来の安心を増やす方法として知っておくと、選択肢が広がるでしょう。
長年専業主婦の人でも、正社員を目指せる可能性は十分あります。まずはパートからスタートし、徐々に正社員への道を探っていくのもおすすめです。
出典
厚生労働省 「年収の壁」への対応
国税庁 令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について
国税庁 No.1191 配偶者控除
国税庁 No.1195 配偶者特別控除
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー