母が亡くなった後も、口座に年金が振り込まれていました。このお金はそのまま使っても大丈夫でしょうか?
ですが、そうとは限らないケースもあります。そこで今回は、亡くなった方に支給された年金の取り扱い方について解説します。
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
死亡後に年金が振り込まれることもある
年金を受け取っている人が亡くなった場合、遺族においてはある手続きが必要となります。それは、日本年金機構に「年金受給権者死亡届(報告書)」を提出し、年金の支給を止める手続きです。
この手続きが遅れてしまうと、年金の支給が継続してしまう場合があります。そのため、本来受け取るべきではなかったはずの年金が支給されてしまい、年金を多く受け取りすぎることになります。
また、「年金受給権者死亡届(報告書)」を提出したとしても、タイミング次第では年金の支給がすぐには止まらないこともあります。
振り込まれた年金はどうするべき?
では、手続きの遅れなどで亡くなった方の口座に年金が万が一支給されてしまったらどうするべきなのでしょうか。後日返還を求められる可能性もあるため、原則として、その年金を安易に使用しないことが望ましいといえます。
年金の支給額は国民年金だけでも約7万円(令和8年度、満額の場合)で、それが2ヶ月分まとめて支給されます。万が一使ってしまうと返金が困難になってしまう恐れがあります。
亡くなった方宛の年金が振り込まれてしまったときは、そのお金に手を付けることなく、速やかに最寄りの年金事務所に返金の手続きについて相談した方がよいでしょう。これは、死後に支給されてしまった年金を亡くなった方の葬儀や債務の返済などに充てる場合も同様です。
ただし「未支給年金」であれば遺族が受け取れるケースがある
一方で、亡くなった後であっても遺族が年金を受け取れることがあります。それは、口座に振り込まれたお金がいわゆる「未支給年金」に該当する場合です。
日本年金機構によると、未支給年金とは、何らかの理由で生前に受け取れなかった年金や、亡くなった日より後に振り込まれた年金のうち亡くなる月までの年金のことを指します。
つまり、死亡後に口座へ振り込まれたお金の中には、返すべき過払いの年金と、遺族が請求して受け取れる未支給年金が混在することがあります。
分かりやすく具体例で説明しましょう。年金は偶数月に2ヶ月分まとめて支給されます。月額の年金が7万円の場合、2月分と3月分の年金14万円が4月に支給されるということです。
仮にこの方が2月に亡くなった場合、2月分の7万円は亡くなった人の未支給年金として遺族が受け取れる可能性がありますが、残りの7万円は返金が必要となるでしょう。
なお、未支給年金を遺族が受け取る場合、その未支給年金はいわゆる一時所得に該当し、未支給年金を含めた一時所得が50万円を超えると、受け取った方において確定申告が必要な場合があります。
まとめ
母が亡くなった後にその母の口座に年金が振り込まれていても、そのお金をそのまま使ってよいとは限りません。大丈夫だろうと思って軽い気持ちで使ってしまうと、後に返納を求められる場合があります。
このような場合は、まず日本年金機構に確認し、振り込まれた年金が返すべきお金なのか、受け取れる未支給年金なのかを確認するとよいでしょう。
出典
日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき
執筆者 : 柘植輝
行政書士
