60歳の母に「月5000円」の“特別支給の老齢厚生年金”が支給されるそうです。結婚前は「5年間」働いていたのに、こんなに少ないんですか? 受給の注意点も解説

配信日: 2026.05.25
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60歳の母に「月5000円」の“特別支給の老齢厚生年金”が支給されるそうです。結婚前は「5年間」働いていたのに、こんなに少ないんですか? 受給の注意点も解説
年金には国民年金や障害年金、遺族年金などさまざまな種類があります。その中の「特別支給の老齢厚生年金」とは、どのような年金制度であるかご存じでしょうか? 本記事では、特別支給の老齢厚生年金の受給条件と受給の際の注意点などを解説します。
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条件を満たす人は「特別支給の老齢厚生年金」の受給が可能

昭和60年の法律改正により、厚生年金の受給開始年齢が60歳から65歳へと引き上げられました。日本年金機構によると、「特別支給の老齢厚生年金」とは、受給年齢を段階的に、スムーズに引き上げるために導入された制度です。
 
受給するためには、次の要件を満たす必要があります。
 

・男性の場合、昭和36年4月1日以前に生まれていること。
・女性の場合、昭和41年4月1日以前に生まれていること。
・老齢基礎年金の受給資格期間(10年)があること。
・厚生年金保険等に1年以上の加入歴があること。
・生年月日に応じた受給開始年齢以上であること。

 

生年月日によっては特別支給の「定額部分」が支給されない

特別支給の老齢厚生年金には、「定額部分」と「報酬比例部分」があります。「報酬比例部分」は、老齢厚生年金などと同様の計算式が用いられており、被保険者期間中の平均標準報酬月額によって算定の基礎が変化します。
 
一方、「定額部分」は、標準報酬月額を基準とせず、昭和31年4月1日以前生まれの人は「1761円×生年月日に応じた率(定額単価)×被保険者期間の月数」、昭和31年4月2日以後生まれの人は「1766円×生年月日に応じた率(定額単価)×被保険者期間の月数」で算出されます。
 
女性の場合、昭和29年4月2日以降に生まれた人はこの「定額部分」を受給できません。
 
掲題の母親は、昭和41年1月1日から4月1日が誕生日であると考えられ、「報酬比例部分」のみの受給となるため、被保険者期間や平均標準報酬月額によっては受給額が非常に少ないケースも想定されます。
 
「平均標準報酬月額20万円」「加入期間5年(60ヶ月)」の場合を例にします。簡易的に計算すると「20万円×(5.481/1000)×60=6万5772円」となり、月割りで換算すると約5000円、隔月の支給月ごとに1万1000円弱の計算となります。
 

「特別支給」を受ける際の注意点

「特別支給の老齢厚生年金」を受給する際の3つの注意点を、解説していきます。
 
(1)請求書提出は誕生日になってから
受給権発生日は受給開始年齢に達した日となるため、請求書の提出は誕生日を迎えてから提出する必要があります。また、請求書のほかに、戸籍謄本または抄本・住民票などが必要であり、いずれも受給権発生日以降に交付されたものかつ、請求書の提出日から6ヶ月以内に交付されたものを用意しましょう。
 
(2)「繰下げ請求」不可のため速やかに手続きを
請求書は事前に送付されますが、請求手続きは「特別支給の老齢厚生年金」の受給開始年齢に到達してからでなければできません。特別支給の老齢厚生年金は、受給開始を遅らせて年金額を増やす「繰下げ受給」の対象外となっています。請求は受給権発生日以降に行いましょう。
 
(3)受給開始年齢には特例あり
「特別支給の老齢厚生年金」(報酬比例部分)を受給している人が、「定額部分」の支給開始年齢になる以前に障害の状態になった場合は、障害者特例の適用を受けることができます。この特例では、受給者の請求により、翌月分から「報酬比例部分」に加えて「定額部分」も受給できるようになります。
 

まとめ

掲題の母親は「定額部分」を受給することができないため、年金額がこのような少額になったと考えられます。「特別支給の老齢厚生年金」は、年金制度改正の移行措置ですが、通常の年金とは異なり、繰下げ受給ができないなど注意点もあります。対象者は受給開始年齢や請求時期を事前に確認し、早めに準備しておきましょう。
 

出典

日本年金機構 特別支給の老齢厚生年金
日本年金機構 た行 定額部分
日本年金機構 は行 報酬比例部分
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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