「夫の年金見込み」=「受け取れる遺族年金」ではない!? 万一のことがあった場合やはり“厚生年金加入者”の方が安心なのでしょうか…?

配信日: 2026.05.27
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「夫の年金見込み」=「受け取れる遺族年金」ではない!? 万一のことがあった場合やはり“厚生年金加入者”の方が安心なのでしょうか…?
夫のねんきん定期便や年金見込み額を見て、「老後は何とかなる」と考えている人は少なくありません。しかし、夫に万が一のことがあった場合、その金額がそのまま妻に引き継がれるとはかぎりません。
 
遺族年金の仕組みを知らないまま老後資金を考えると、実際の収入との間に差が出る可能性があります。そこで本記事では、遺族年金の基本と、老後資金を確認する考え方を解説します。
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夫の年金見込み額がそのまま遺族年金になるわけではない

まず知っておきたいのは、夫の年金見込み額と、妻が受け取る遺族年金は別物だという点です。夫の年金見込み額には、老齢基礎年金と老齢厚生年金が含まれていることがあります。老齢基礎年金は国民年金に対応する年金で、老齢厚生年金は会社員や公務員などが厚生年金に加入していた場合に受け取れる年金です。
 
夫が亡くなった後に妻が受け取れる可能性があるのは、主に「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」です。遺族基礎年金は、原則として一定の年齢までの子どもがいる配偶者などが対象となるため、子どもがすでに独立している夫婦では、受け取れない場合があります。
 
一方、遺族厚生年金は、夫が厚生年金に加入していた場合などに対象となります。ただし、夫の老齢厚生年金が全額そのまま支給されるわけではありません。基本的には、夫の老齢厚生年金のうち報酬比例部分の4分の3が目安です。
 
そのため、夫の年金見込み額が年200万円だったとしても、そのすべてが遺族年金として妻に引き継がれるわけではありません。年200万円のなかには、夫本人が生きている間に受け取る老齢基礎年金なども含まれているためです。妻が受け取れる遺族年金は、夫の加入状況や妻自身の年金額などによって変わります。
 

遺族年金の金額は「夫の働き方」と「妻の年齢」で変わる

遺族年金の金額は、夫の働き方によって左右されます。夫が会社員として厚生年金に長く加入していた場合、妻は遺族厚生年金を受け取れる可能性があります。
 
一方、夫が自営業で国民年金のみだった場合、子どもがいない妻には遺族基礎年金が支給されないケースも少なくありません。その場合、年金だけで生活費をまかなうのは難しくなるでしょう。
 
また、妻の年齢も重要です。夫が亡くなったときに妻が40歳以上65歳未満で、一定の条件を満たす場合は、「中高齢寡婦加算」が上乗せされることがあります。ただし、この加算は65歳までの制度です。そのため、65歳以降は妻自身の老齢基礎年金や老齢厚生年金も含めて、毎月どのくらいの年金収入になるのかを考える必要があります。
 
妻に厚生年金の加入期間がある場合は、65歳以降に自分の老齢厚生年金を受け取れます。ただし、自分の年金に遺族厚生年金そのまま上乗せされるとはかぎりません。受け取れる金額は妻自身の年金額との兼ね合いで調整されるため、合計額を確認しておくことが大切です。
 

老後資金が足りるかは生活費との差額で確認する

老後資金が足りるかを考えるには、「夫婦2人の生活費」と「夫婦のどちらかが亡くなった後の1人分の生活費」を分けて確認することが大切です。
 
夫が亡くなると、食費や日用品費は減るかもしれませんが、住居費や固定資産税、管理費、通信費、保険料などは大きく下がらない可能性があります。医療費や介護費が増える可能性もあるため、「1人になれば生活費は半分になる」と考えるのは危険です。
 
老後資金が足りるかを確認するには、まず現在の毎月の支出を書き出すことが大切です。そのうえで、夫が亡くなった後も残る支出を整理しましょう。家賃や住宅ローン、保険料、車の維持費などは見落としやすい項目です。
 
支出の目安が分かったら、次に妻が受け取れる年金見込み額を確認します。妻の年金額は、ねんきん定期便やねんきんネットで調べられます。
 
ただし、遺族年金は夫婦それぞれの年金加入状況や家族構成によって、受け取れる種類や金額が変わります。自分だけで判断しにくい場合は、年金事務所に相談し、具体的な見込み額を確認しておくとよいでしょう。
 
例えば、妻1人の生活費が月20万円で年金収入が月14万円の場合は、毎月6万円の不足です。年間では72万円、20年続けば1440万円の不足になります。このように計算すると、必要な備えが見えやすくなるでしょう。
 

遺族年金だけに頼らず早めに不足額を見える化しよう

夫の年金見込み額を見て安心していても、万が一の後に妻が同じ金額を受け取れるとはかぎりません。遺族厚生年金は、亡くなった夫の老齢厚生年金に含まれる報酬比例部分をもとに計算され、基本的にはその4分の3が支給されます。報酬比例部分とは、会社員時代の給与や厚生年金の加入期間などに応じて決まる部分です。
 
そのため、夫が受け取る予定だった年金額より少なくなることがあります。また、遺族基礎年金、原則として一定の年齢までの子どもがいる配偶者などが対象で、子どもがいない場合は受け取れないケースもあるため、遺族年金だけで生活費をまかなえるとはかぎりません。
 
老後資金に不安がある場合は、夫婦それぞれの年金見込み額、遺族年金の見込み額、妻1人になった後の生活費を確認しましょう。不足額が分かれば、貯蓄を増やす、保険を見直す、働き方を考えるなど、早めに対策を取れます。まずは年金額と生活費を書き出し、わが家に必要な老後資金を具体的に確認することから始めましょう。
 

出典

日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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