64歳の母に「年金未納期間」が“2年”あることが発覚! 任意加入より「パートで月9万円」稼ぐほうが、年金額が増えて得ですか? それぞれの結果をシミュレーション

配信日: 2026.05.28
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64歳の母に「年金未納期間」が“2年”あることが発覚! 任意加入より「パートで月9万円」稼ぐほうが、年金額が増えて得ですか? それぞれの結果をシミュレーション
老齢基礎年金は、保険料を納めた期間と免除された期間などを合算した受給資格期間が10年以上あれば、65歳から受け取れます。満額を受け取るためには、20歳から60歳になるまでの40年間、保険料を納めなければなりません。
 
しかし、なかにはさまざまな事情で納められなかった人もいるでしょう。未納期間が2年あった場合、65歳まで国民年金に加入するか、月9万円のパートで働くか、どちらが年金額をより増やせるのでしょうか。
 
今回は国民年金の任意加入できる条件を解説し、どちらが年金を増やせるのかシミュレーションを行います。
金成時葉

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

国民年金の任意加入とは

老齢基礎年金は、20歳~60歳までの40年間の国民年金の加入期間に応じて年金額が計算されます。もし、60歳までに40年の納付済み期間がない場合や、受給資格を満たしていない場合、60歳以降でも国民年金に任意加入できます。
 
任意加入するためには、次に挙げる1~4の条件をすべて満たさなければなりません。
 

1.60歳以上65歳未満で日本国内に住所を有していること
2.老齢基礎年金の繰上げ受給をしていないこと
3.20歳以上60歳未満までの保険料を納めた月が480月未満であること
4.厚生年金保険、共済組合などに加入していないこと

 
また、受給資格期間を満たしていない65歳以上70歳未満の人、外国に居住する20歳以上65歳未満の日本人も加入できます。
 

国民年金に任意加入か月9万円のパートのどちらが年金額をより増やせる?

それでは、64歳の人が1年間国民年金に任意加入するか、月9万円のパートで働くか、どちらが年金額を増やせるのでしょうか。実際にシミュレーションしてみましょう。
 

1年間任意加入をした場合

まずは任意加入を1年間した場合、年金額をいくら増やせるのか計算してみます。令和8年度の場合、老齢基礎年金の満額は84万7300円(昭和31年4月1日以前生まれの人は84万4900円)であることから、次の計算式で1ヶ月加入したときの年金額を求められます。
 
84万7300円×1ヶ月/480月=1765円
 
国民年金保険料を1ヶ月納めると年金額が1765円増え、1年間にすると2万1180円となります。なお、令和8年度の国民年金保険料は1ヶ月あたり1万7920円、1年にすると21万5040円です。
 
また、国民年金には付加年金があります。付加年金とは、月額400円の付加保険料を年金保険料と合わせて納めると、付加保険料を納めた月数×200円が年金額に上乗せされるというものです。1年間付加保険料を納めると付加年金が2400円増え、先ほどの年金額と合わせると2万3580円となります。
 

月9万円のパートで働いた場合

月9万円のパートで働いた場合、年金額はいくら増やせるのでしょうか。社会保険に加入すると老齢厚生年金が受け取れ、次の計算式が年金額となります。
 
年金額=報酬比例部分+経過的加算+加給年金額
 
2003年以降の加入期間における報酬比例部分の計算式は、次の通りです。
 
平均標準報酬額×5.481/1000×加入月数
 
平均標準報酬額を9万円とした場合、1年に増える年金額は次の計算式で求められます。
 
9万円×5.481/1000×12ヶ月=約5919円
 
経過的加算とは、20歳未満や60歳以降に厚生年金保険に加入していた場合に、老齢厚生年金に上乗せして支払われる金額のことです。老齢基礎年金の金額は、20歳から60歳までの加入期間を基に計算されるため、20歳未満や60歳以降の加入期間は反映されません。そのため、その期間の定額部分相当額が老齢厚生年金に加算されます。
 
経過的加算額は図表1の計算式で求められます。
 
図表1

図表1

日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
 
なお、昭和31年4月1日以前生まれの人は※が84万4900円になります。
 
今回のケースは64歳であることから、定額部分の計算式は次のようになります。
 
1766円×生年月日に応じた率×被保険者期間の月数
 
今回のケースを当てはめると、次の計算式で定額部分を求められます。
 
1766円×1.0×12ヶ月=2万1192円
 
20歳から60歳までの厚生年金の加入期間を0とすると、先ほどの報酬比例部分5919円と2万1192円を合わせた2万7111円が増やせる年金額となります。
 
国民年金に1年間任意加入したときよりも、月9万円のパートで働いたときのほうが、年金額が3531円増えることが分かりました。
 
なお、月9万円で働いた場合の厚生年金保険料は1ヶ月あたり8052円、1年にすると9万6624円となります。ほかにも、健康保険料や雇用保険料がかかり、手取りは7万7000円ほどです。
 

家計状況や健康状態を考慮して自分に合った選択をしよう

今回シミュレーションした結果では、1年間国民年金に任意加入するよりも、9万円のパートをしたほうが年金額をより増やせることが分かりました。
 
厚生年金は原則として70歳まで加入できます。そのため、加入期間が長く、収入が多いほど年金額を増やせます。しかし、無理をして体調を崩してしまっては本末転倒です。自身の家計状況や健康状態などをよく考慮した上で、自分に合った選択をしましょう。
 

出典

日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 た行 定額部分
 
執筆者 : 金成時葉
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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