40歳からiDeCoを「月2万円」積み立てて“100万円”に! しかし息子の大学進学で「月8万円」の仕送りが厳しく“途中解約”を検討中です。60歳前でも引き出し可能ですか?
老後に向けた長期の運用となるため、途中で予期していなかった支出が発生することも想定されます。急な支出で家計が苦しくなった場合に、iDeCoを解約して資金を引き出すことはできるのでしょうか。
本記事では、iDeCoの途中解約の仕組みと、家計が厳しくなった場合の対応方法について解説します。
FP2級、日商簿記3級、管理栄養士
iDeCoは家計が苦しくても途中解約できない?
iDeCoは、公的年金に上乗せする形で老後資金を準備する私的年金制度です。掛金が全額所得控除の対象となるほか、運用益が非課税となるなど、税制面でのメリットがあることが特徴です。
一方、長期的な老後資金の確保が目的のため、60歳になるまで自由に解約して資金を引き出すことは、原則として認められていません。例外的に60歳までに資金を受け取れるのは、次のようなケースに限られます。
・本人が死亡した場合や高度障害状態となった場合
・脱退一時金として受け取る場合
脱退一時金としてiDeCoの資産を受け取るには、複数の条件を全て満たす必要があります。例えば、資産額が25万円以下であることや、通算加入期間が5年以下であることなどが挙げられます。さらに重要なのは、iDeCoに加入できない状態にあることです。例えば、会社員として働いている場合は、引き続きiDeCoに加入できる状態です。
今回のケースは、一部の条件を満たす可能性はあるものの、iDeCoに加入できる状態が続くため、脱退一時金を受け取ることはできません。教育費の増加や預貯金が少ないといった家計上の理由だけでは、途中で解約して資金を引き出すことはできない仕組みとなっています。
iDeCoの掛金を減らすことはできる?
iDeCoは、途中解約は難しいですが、掛金の拠出方法を見直すことは可能です。家計が厳しくなった場合には、掛金の拠出を停止するという選択肢があります。拠出を停止すると、新たな積み立ては行われませんが、これまでの資産はそのまま運用が続きます。月2万円の掛金を停止すれば、年間では24万円分の支出を抑えることにつながります。
また、掛金を減額する方法もあります。iDeCoの掛金は、最低5000円から1000円単位で調整が可能です。掛金の変更は原則として年1回となるため、見直しのタイミングには注意が必要です。
なお、掛金を減額または停止すると、その分所得控除の効果も小さくなります。より厳密に家計管理を行う場合には、税金に関する影響も忘れずに考慮しましょう。
無理のない範囲で老後資産を準備しよう
iDeCoは老後資金づくりを目的とした制度であり、原則として60歳まで資産を引き出すことはできません。そのため、教育費などで家計が厳しくなったという理由では、途中解約して資金を受け取ることは基本的にはできない仕組みです。ただし、掛金の拠出を停止したり減額したりすることで、家計負担を調整することはできます。
教育費の負担が大きくなるなど、支出が増える時期には無理に積み立てを続けるのではなく、家計を優先することも必要です。老後資金の準備も重要ですが、無理のない範囲で資産形成を続けましょう。
出典
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト 給付について
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト iDeCo(イデコ)の加入資格・掛金・受取方法等
執筆者 : 東雲悠太
FP2級、日商簿記3級、管理栄養士
