年金額が「4月分から2.0%引き上げ」と聞いて安心していた母。ところが振込額が思ったほど増えていません…。実際の「手取り」に反映されるのはいつからですか?
本記事では、引き上げられた年金が振り込まれる時期や年金額の改定ルール、手取り額が変わる理由について解説します。増額後の年金がいつごろ振り込まれるのか知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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引き上げられた年金額はいつから反映される?
2026年度は、国民年金が1.9%、厚生年金が2.0%引き上げられます。それにともない、国民年金は月額7万608円、厚生年金は23万7279円となります。
なお、日本年金機構によると、この厚生年金額は平均標準報酬(賞与を含む月額換算)が45万5000円の人が40年間勤務した場合の老齢厚生年金と夫婦2人分の老齢基礎年金(満額)を含む金額です。
年金が増えるのは4月からですが、実際に振り込まれるタイミングには注意が必要でしょう。年金は原則として2ヶ月分をまとめて支給されるため、引き上げられた年金が振り込まれるのは6月からとなります。
そのため、「4月から年金が増額されたと聞いたのに振込額が変わっていない」と感じても不思議ではありません。なお、改定後の年金額は、6月上旬頃に送付される「年金額改定通知書」や「年金振込通知書」で確認できます。
年金額はどのように改定されている?
年金額は毎年自動的に決まるわけではなく、法律で定められた仕組みに基づき、物価や賃金の変化を反映して見直されています。
まず、政府は前年の物価上昇率と現役世代の賃金の伸びを確認します。2025年度は物価変動率が3.2%、賃金変動率が2.1%でした。通常、年金を新たに受け取り始める方の年金額は賃金を基準に決まり、すでに受給している方の年金額は物価を基準に見直されます。
しかし、物価の上昇が賃金の伸びを上回る場合は別です。物価上昇分をそのまま年金に反映すると、現役世代の負担が重くなるため、低い方の賃金変動率を基準にするルールがあります。2026年度は物価上昇率の3.2%が賃金上昇率の2.1%を上回ったため、受給開始時期にかかわらず2.1%を基準として改定率が計算されました。
さらに、年金制度を長く維持するための「マクロ経済スライド」が適用されます。これは少子高齢化の影響を踏まえ、年金の増加幅を一定程度おさえる仕組みです。2026年度は国民年金で0.2%、厚生年金で0.1%の調整が行われました。
その結果、国民年金は2.1%から0.2%を差し引いた1.9%、厚生年金は2.1%から0.1%を差し引いた2.0%の引き上げとなりました。このように、年金額は物価や賃金の動向に加え、将来の年金財政も考慮しながら毎年調整されています。
年金の手取り額が変わる理由
年金額が引き上げられても、そのまま全額を受け取れるわけではありません。実際に口座へ振り込まれる金額は、原則として各種保険料や税金が差し引かれた後の手取り額です。
年金からは、年間の受給額によって、基本的に介護保険料や国民健康保険料、後期高齢者医療保険料などが天引きされています。これらの保険料は年齢や所得、住んでいる自治体によって異なり、負担額も一人ひとり違います。また、年金額や所得状況によっては、所得税や住民税も支払う必要が生じるケースもあります。
このように、年金の額面が増えていても、保険料や税金の負担によって実際の受取額は異なります。年金の増額を確認するときは、改定後の年金額だけでなく、年金振込通知書に記載された手取り額もあわせて確認することが大切です。
引き上げられた年金が振り込まれるのは6月から
年金額の引き上げは4月分から適用されますが、実際に増額後の金額が振り込まれるのは6月です。
年金額は物価や賃金の変動に加え、マクロ経済スライドによる調整を受けて決定されています。さらに、実際の振込額は介護保険料や国民健康保険料、税金などが差し引かれるため、増額率どおりに手取りが増えるとは限りません。
年金の受取額が気になる場合は、6月上旬頃に届く年金額改定通知書や年金振込通知書を確認し、額面だけでなく実際の手取り額もあわせてチェックしておくとよいでしょう。
出典
日本年金機構 令和8年4月分からの年金額等について
日本年金機構 Q.いつの支払いから改定後の年金額が適用されますか。
日本年金機構 Q.年金額はどのようなルールで改定されるのですか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
