自分が先に亡くなった場合、妻の年金はどうなるのでしょうか。遺族年金として引き継げると聞きましたが、全額もらえるわけではないですよね?

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自分が先に亡くなった場合、妻の年金はどうなるのでしょうか。遺族年金として引き継げると聞きましたが、全額もらえるわけではないですよね?
夫婦で老後の生活を考えるとき、どちらかが先に亡くなった後の年金は大きな関心事です。特に、夫の年金を家計の中心にしている家庭では、妻の生活費がどのように変わるのか不安に感じることもあるでしょう。
 
遺族年金という制度は聞いたことがあっても、受け取れる条件や金額の考え方までは分かりにくいものです。そこで本記事では、夫が先に亡くなった場合に妻の年金がどうなるのかを確認していきます。
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夫が亡くなっても、妻が夫の年金を全額引き継げるわけではない

夫が亡くなった場合でも、妻が夫の年金をそのまま全額受け取れるわけではありません。年金は基本的に本人の老後生活を支えるための制度のため、亡くなった後に家族へそのまま引き継がれるものではないのです。
 
ただし、一定の条件を満たす遺族には「遺族年金」が支給されます。例えば、夫が会社員や公務員として厚生年金に加入していた場合、妻は遺族厚生年金を受け取れる可能性があります。
 
遺族厚生年金として受け取れる金額は、原則として、夫の老齢厚生年金をもとに計算されます。
 
基本は、夫の老齢厚生年金のうち報酬比例部分の4分の3です。報酬比例部分とは、現役時代の給与や加入期間に応じて決まる厚生年金部分を指します。例えば、夫の厚生年金部分が年120万円だった場合、遺族厚生年金の目安は年90万円です。
 
ただし、夫が受け取っていた年金全体がそのまま移るわけではないため、夫婦2人分の年金で生活していた家庭では、収入が大きく減ることがあります。なお、妻が65歳以上で自分自身の老齢厚生年金を受け取る場合は、後述のように調整が入るため注意が必要です。
 

妻が受け取れる遺族年金は、遺族基礎年金と遺族厚生年金で変わる

遺族年金には、主に「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。遺族基礎年金は国民年金から支給される年金で、基本的には子どものいる配偶者、または子どもが対象です。ここでいう子どもは、原則として18歳になった年度の3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1級または2級の障害がある子を指します。
 
そのため、夫婦に対象となる子どもがいる場合、妻は遺族基礎年金を受け取れる可能性があります。一方、子どもがすでに独立している場合や夫婦のみの世帯では、原則として遺族基礎年金は受け取れません。この点は、誤解されやすいため注意が必要です。
 
遺族厚生年金は、亡くなった夫が厚生年金に加入していた場合などに支給されます。妻が夫に生計を維持されていた場合、子どもの有無にかかわらず対象になる可能性があります。
 
また、40歳以上65歳未満で子どものいない妻などには、「中高齢寡婦加算」が付く場合もあります。このように、遺族厚生年金は夫の加入状況や妻の年齢、家族構成によって受け取れる金額が変わるため、年金事務所などで確認しておくと安心です。
 

65歳以降は妻自身の年金との調整に注意する

妻が65歳になると、原則として自分自身の老齢基礎年金や老齢厚生年金の受給が始まります。ただし、夫の死亡による遺族厚生年金と妻自身の老齢厚生年金をそのまま合算できるわけではありません。
 
妻自身に老齢厚生年金がある場合は、まずその年金が全額支給されます。ただし、遺族厚生年金のほうが妻の老齢厚生年金より多い場合は、妻自身の老齢厚生年金と調整されます。
 
65歳以上の場合、遺族厚生年金の額は、原則となる「夫の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3」と、「夫の老齢厚生年金の報酬比例部分の2分の1+妻自身の老齢厚生年金の2分の1」を比べ、高いほうをもとに決まります。
 
ただし、その計算額を妻自身の老齢厚生年金にそのまま足せるわけではありません。妻自身の老齢厚生年金を差し引いた分が、遺族厚生年金として上乗せされるイメージです。
 
例えば、遺族厚生年金の計算額が年90万円で、妻自身の老齢厚生年金が年50万円の場合、妻の老齢厚生年金50万円はそのまま受給し、遺族厚生年金として差額の40万円を受け取ります。
 
一方、遺族厚生年金の計算額が年40万円で、妻自身の老齢厚生年金が年50万円の場合は、妻自身の老齢厚生年金のほうが多いため、遺族厚生年金は実質的に支給されません。
 
ただし、妻自身の老齢基礎年金はその調整とは別に受け取れます。65歳以降の収入を考えるときは、「妻の老齢基礎年金」「妻の老齢厚生年金」「調整後の遺族厚生年金」を分けて確認しましょう。
 
思い込みで計算すると老後資金の見通しに誤差が出るため、ねんきん定期便やねんきんネットで夫婦それぞれの見込み額を確認しておくことが大切です。
 

遺族年金だけに頼らず、夫婦で年金見込み額を確認しておこう

夫が先に亡くなった場合、妻は遺族年金を受け取れる可能性があります。ただし、夫の年金を全額そのまま引き継げるわけではありません。遺族厚生年金は夫の厚生年金部分の4分の3が基本ですが、65歳以降に妻自身の老齢厚生年金がある場合は調整されます。
 
また、遺族基礎年金は子どもの有無によって対象になるかどうかが変わります。そのため、夫婦それぞれの年金見込み額を確認したうえで、一人になった場合の収入も把握しておくことが大切です。早めに収入の目安が分かれば、不足しそうな金額に応じて、貯蓄や保険、働き方の見直しなどの対策も立てやすくなるでしょう。
 

出典

日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 年金の併給または選択
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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