59歳がリストラで「60歳から年金をもらえば大丈夫」と思ってたら、一生「年金20万→15万2000円」の“減額4万8000円”ペナルティ!? まだアルバイトで頑張るべきでしょうか?
本記事では、60歳から年金を受け取る場合と、アルバイトをしながら65歳からの受給を目指す場合を比較し、それぞれの特徴や判断のポイントを分かりやすく解説します。
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目次
年金を繰上げ受給すると一生減額になる仕組み
まずは、繰上げ受給の仕組みを理解しておきましょう。
繰上げ受給とは? 減額率は生涯変わらない
老齢基礎年金と老齢厚生年金は、原則65歳から受給を開始します。ただし、希望すれば60歳から64歳までの間に繰り上げて受け取ることも可能です。
ただし、繰上げ受給を選択すると、受給開始を早めた月数に応じて年金額が減額されます。現在の制度では、減額率は1ヶ月あたり0.4%です。60歳ちょうどから受給を開始すると、65歳より60ヶ月早く受け取ることになるため、減額率は次のようになります。
0.4%×60ヶ月=24%
本来65歳から毎月20万円受け取れる人であれば、60歳から受給した場合は15万2000円になります。この24%の減額は一時的なものではなく、生涯続きます。
繰上げ受給は変更できない
繰上げ受給を開始すると、その後に「やはり65歳受給に戻したい」と思っても変更することはできません。そのうえ、一度決まった減額率は生涯変わらず、年金もそのままの額で受け取ることになります。
そのため、生活費が不足するという目先の事情だけで判断するのではなく、平均寿命や今後の生活設計も踏まえて判断することが大切です。
60歳から年金を受け取る場合と月8万円のアルバイトを続ける場合を比較
今回は、65歳から受け取る老齢年金が月20万円の人を例に比較しましょう。月8万円のアルバイトは、時給1300円で1日4時間、月16日程度働くケースを想定します。このときの月々の収入は図表1のとおりです。
図表1
| 繰上げ受給 | 65歳までアルバイト | 差額 (繰上げ-アルバイト) |
|
|---|---|---|---|
| 60~64歳の年金 | 15万2000円 | なし | +15万2000円 |
| アルバイト収入 | なし | 8万円 | ▲8万円 |
| 60~64歳の月収 | 15万2000円 | 8万円 | +7万2000円 |
| 60~64歳の5年間の収入 | 912万円 | 480万円 | +432万円 |
| 65歳以降の年金 | 15万2000円 | 20万円 | ▲4万8000円 |
筆者作成
60歳から65歳までの5年間では、繰上げ受給を選んだほうが毎月の収入は多くなります。今回の試算では、60歳から受け取る年金総額は912万円、アルバイト収入は480万円となり、5年間では繰上げ受給のほうが約432万円多く受け取れる計算です。
しかし、65歳以降は状況が変わります。毎月4万8000円の差が生涯続くため、長生きするほど65歳受給のメリットが大きくなります。
72歳半ばで累計受給額は逆転
今回のケースで単純計算すると、
432万円÷4万8000円=約90ヶ月
となるため、65歳から約7年半後(72歳半ば頃)になると、累計受給額は65歳受給が逆転します。
もちろん、これは税金や社会保険料、賃金の変動などを考慮しない単純な比較です。しかし、「早く受け取れるメリット」と「一生減額されるデメリット」の両方を比較することが重要です。
繰上げ受給だけで判断しないために確認したいポイント
年金だけではなく、利用できる制度も含めて検討すると選択肢が広がる可能性があります。
失業給付や退職金を活用できる場合がある
59歳で会社を退職した場合でも、一定の条件を満たせば雇用保険の基本手当(失業給付)を受けられる可能性があります。会社都合退職であれば、自己都合退職よりも給付日数が長くなるケースもあります。
また、退職金や預貯金があれば、それらを生活費に充てながら65歳まで受給開始を待つという選択肢も視野に入れましょう。
再就職という選択肢もある
月8万円程度のアルバイトだけでなく、これまでの経験や資格を生かして再就職を目指すという選択肢もあります。
近年はシニア人材を積極的に採用する企業も増えており、正社員はもちろん、短時間勤務や契約社員、嘱託社員など、自分の体力やライフスタイルに合わせた働き方を選べるケースも少なくありません。
収入を確保できるだけでなく、社会とのつながりや健康維持という面でも働き続けるメリットがあるといえるでしょう。
目先の生活費だけでなく老後全体の家計で判断しよう
59歳でリストラされると、生活費への不安から60歳から年金を繰上げ受給したくなるかもしれません。しかし、60歳から受給すると年金額は24%減額され、その影響は一生続きます。
短期的には繰上げ受給のほうが手元資金を確保しやすい一方、長期的には65歳まで受給開始を待ったほうが受給総額は多くなります。繰上げ受給を判断する際は、年金だけでなく、失業給付や退職金、再就職の可能性も含めて家計全体を見直すことが大切です。
目先の資金繰りだけではなく、老後の生活設計まで考えたうえで、自分に合った選択を検討しましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

