夫が亡くなり、遺族年金の手続きをしようとしたら「夫の年金未納期間が長すぎて対象外」と言われました!そんなことあるんですか!?
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遺族年金には保険料の納付要件がある
遺族年金には、国民年金から出る遺族基礎年金と、厚生年金から出る遺族厚生年金があります。日本年金機構は、遺族年金について、亡くなった人の年金の納付状況、遺族の年齢、優先順位などの条件を満たす必要があると説明しています。
つまり、夫が亡くなったからといって、妻が必ず遺族年金を受け取れるわけではありません。特に問題になりやすいのが、保険料の未納期間です。
国民年金保険料を払っていない期間が長い場合、遺族基礎年金の対象外になることがあります。厚生年金についても、亡くなった時点の状況によっては、保険料納付済期間や免除期間が一定以上あるかを見られます。
ただし、免除や猶予の手続きをしていた期間は、単なる未納とは違います。収入が少なく保険料を払えないときに免除申請をしていれば、納付要件の判定で考慮されます。何も手続きをせず払っていない未納とは扱いが大きく変わります。
原則は3分の2以上、特例では直近1年を見る
遺族基礎年金では、死亡日の前日において、保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせた期間が、国民年金加入期間の3分の2以上あることが原則です。
遺族厚生年金でも、厚生年金加入中の死亡など一定の場合には、同じように納付済期間と免除期間が3分の2以上あることが求められます。
日本年金機構の「遺族年金ガイド令和8年度版」に記載されている例が参考になります。国民年金と厚生年金のどちらにも加入期間があった場合の例です。
・生年月日 昭和60年4月10日
・死亡日 令和7年5月10日(死亡当時40歳)
・被保険者期間(年金加入期間)240月(20歳から年金制度に加入)
・国民年金保険料 納付済期間 30月 免除期間 12月 未納期間 78月
・厚生年金保険の被保険者期間 120月
年金加入期間、すなわち被保険者期間は「死亡日の前日において、死亡日が含まれる月の前々月まで」の時点で考えることになります。
上記の例の場合、被保険者期間は「令和7年の3月まで」で、240ヶ月です。このうちの国民保険料納付済期間と免除期間、そして厚生年金保険の被保険者期間の合計は162ヶ月です。240ヶ月の3分の2以上(160ヶ月以上)となるので納付要件を満たしている、と判定されます。
「未納期間の78ヶ月」は、162ヶ月に含まれていません。このことから、未納期間が遺族年金の受け取り可否に直接影響することが分かります。
ただし、特例もあります。死亡日が令和18年3月末日までで、亡くなった人が65歳未満の場合、死亡日の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければ、要件を満たせる場合があります。
たとえば、若いころに未納があっても、最近1年間はきちんと納付していた、または免除の手続きをしていた場合は、遺族年金の対象になる可能性があります。反対に、直近1年にも未納があると、この特例を使えないことがあります。
死亡後に家族があわてて保険料を払っても、原則として納付要件を後から満たすことはできません。生前の納付状況がとても重要です。
対象外と言われても年金記録を確認する
年金事務所で対象外と言われた場合でも、すぐにあきらめる必要はありません。まずは夫の年金記録を詳しく確認しましょう。
会社員だった期間が抜けている、転職時の記録が統合されていない、免除申請をした期間が反映されていない、といった可能性があります。特に転職が多かった人、自営業と会社員の期間が混在していた人、結婚前後で氏名変更があった人は、記録の確認が大切です。
また、遺族基礎年金は、子のある配偶者または子が対象です。ここでいう子は、18歳になった年度末までの子、または20歳未満で一定の障害がある子です。子がいない妻の場合、国民年金だけでは遺族基礎年金を受け取れないことがあります。
遺族年金が難しくても、寡婦年金や死亡一時金など、別の制度を使える場合があります。どの制度に該当するかは、夫の加入歴と家族構成で変わるため、年金事務所でまとめて確認しましょう。
まとめ
夫の年金未納期間が長い場合、遺族年金の対象外になることはあります。遺族年金は家族のための制度ですが、亡くなった人の保険料納付状況も支給条件に含まれるからです。
原則として、納付済期間と免除期間が加入期間の3分の2以上必要です。ただし、一定の場合には、直近1年間に未納がなければよい特例もあります。
対象外と言われた場合は、夫の年金記録、免除期間、会社員だった期間に漏れがないかを確認してください。遺族年金が受けられない場合でも、寡婦年金や死亡一時金の可能性があります。つらい時期ですが、早めに年金事務所へ相談し、受け取れる制度を見落とさないようにしましょう。
出典
日本年金機構 遺族年金ガイド 令和8年度版
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

