更新日: 2021.06.22 iDeCo(確定拠出年金)
iDeCoは転職時に、持ち運べるって知ってた? ポータビリティについて解説
iDeCoのメリットは、個人が拠出した掛け金が全額所得控除されること、さらには、運用益非課税や受取時の税制優遇など有利な点ばかりです。そのため、もう「iDeCo」は当然始めているよという方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、iDeCoのポータビリティについて確認してみたいと思います。
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執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
企業ごとに異なる年金制度
企業にはそれぞれの年金制度があり、国民年金(1階部分)と厚生年金(2階部分)の基礎年金部分を補完する3階部分としてさまざまな年金制度が用意されている場合があります。
1、企業型確定拠出年金(企業型DC)
2、確定給付型年金
3、企業型DCと確定給付年金の併用
4、年金払い退職給付(公務員)
などが代表的なパターンです。そして、これらの3階部分までの年金制度の掛け金の大きさ(3階までの“高さ”)を加味した残りがiDeCoの掛け金の拠出限度額となります。
例えば、1階部分の国民年金のみとなる第1号被保険者(自営業者など)の場合は、最も高さが低くなるため、iDeCoの拠出限度額は月額6.8万円と最も多くなっています。逆に公務員については、最も低い月額1.2万円が限度額となっているのです。
出典:厚生労働省「確定拠出年金の対象者・拠出限度額と他の年金制度への加入の関係」
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iDeCoのポータビリティ
確定拠出年金(DC)は原則60歳まで資産を受け取ることができません。(通算加入期間が10年未満の場合には開始年齢が遅くなることもあります)つまり、60歳以降の主に老後の資産形成を目的とした制度です。
しかし、今後は特に、かつてのような終身雇用制度の下で定年退職まで一つの会社に最後まで勤め上げるという方も少数派となってくるのかもしれません。
そこで、60歳を迎えるまでに転職や退職を経験するケースを想定し、継続した資産形成を支援する仕組みとしてポータビリティ(持ち運び)ができるようになっています。
さまざまなポータビリティのパターン
最も多いケースは、企業型DCに加入していた方が退職し、iDeCo(個人型)にポータビリティするパターンです。企業型DCの制度はその方が退職することによって加入資格を失うことになりますので、その資産を持ち出す必要があります。
退職後に自営業者となる方、専業主婦(夫)として第3号被保険者となる方などの多くは、このパターンでiDeCoの加入者(掛け金を拠出する)もしくは運用指図者(掛け金を拠出しない)になります。
また、退職後すぐに転職し、その転職先の会社が企業型DCの制度を実施していれば、資産を移換できます。
さらに、逆のパターンとして自営業者(iDeCo)から企業型DCのある会社に就職するパターンや、企業型DCがない会社に勤めていたiDeCo加入者が、新たに企業型DCがある会社に就職したパターンなどさまざまなポータビリティが想定されます。
ポータビリティの注意点
現行の制度において注意する点としては、企業型DCからiDeCo、iDeCoから企業型DCへのポータビリティの際には、原則現金化する必要がある点が挙げられるでしょう。制度間の違いという理由でしょうが、何となく納得のいかない点ではあります。
また、年金制度などに関心の薄い方に多く見られるパターンとして、退職後に企業型DCのポータビリティの手続きをせずに、退職日の翌日の属する月の翌月から起算して6ヶ月を経過し、国民年金基金連合会に強制的に資産が移管されることがあります(自動移換)。
いわゆる資産が「お上に召し上げられた」状態です。
その間、運用指図はできないうえに、加入期間にも算入されず、保管の手数料だけが徴収されていきます。もちろん一定の手続きによって、召し上げられた資産を取り返すことはできますのでご安心ください。
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まとめ
漠然とした将来への不安や年金制度への不信感などさまざまな情報が飛び交っています。いずれにしろ言えることは、自動的に国から与えられたものだけを頼りにするのではなく、自分の将来は自分で支えるという主体的な考え方も必要となるということです。
iDeCoのみならず、年金とはただ「もらえることを待つ」だけでなく、自らが「作り出すもの」なのかもしれません。
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー