パートでも加入できる? 厚生年金の適用拡大の実態について解説

配信日: 2020.01.30

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パートでも加入できる? 厚生年金の適用拡大の実態について解説
厚生年金は、会社員など企業で働いている人が加入する年金制度で、老後の生活を支える重要な役割を果たしています。
 
厚生年金に加入するには、一定の条件を満たさなければなりませんが、今後この条件が拡大され、パートで働いている方など、より多くの方が加入できるようになる予定です。今回は、厚生年金の変更について、チェックしていきましょう。
 
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

現在の制度を確認

まずは、現在の厚生年金制度について、確認しておきましょう。厚生年金は、企業などで正社員として働いている方が対象となると思われがちですが、現行の制度においても、パートタイマーやアルバイトとして働いている方も、一定の条件を満たせば、厚生年金の被保険者となり、厚生年金に加入することになっています。
 
パートタイマーやアルバイトなどの短時間労働者が、厚生年金に加入する条件は、以下の通りです。
 
<労働時間>
1週の所定労働時間が一般社員の4分の3以上
<労働日数>
1月の所定労働日数が一般社員の4分の3以上
 
例えば、一般社員の1週の所定労働時間が40時間で、1月の所定労働日数が20日である場合、1週30時間以上、および1月の所定労働日数が15日以上業務に従事する従業員は、パートタイマー、アルバイトなどの名称を問わず、厚生年金の被保険者となります。
 
さらに、一般社員の所定労働時間および所定労働日数が4分の3未満であっても、下記の5要件を全て満たす方は、被保険者になります。
 
1.週の所定労働時間が20時間以上あること
2.雇用期間が1年以上見込まれること
3.賃金の月額が8.8万円以上であること
4.学生でないこと
5.常時501人以上の企業(特定適用事業所)に勤めていること

 
さらに詳しく、具体的な勤務時間例などを知りたい方は、日本年金機構のホームページ(※)を確認してみましょう。
 

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制度変更の概要

そして、今ご紹介した厚生年金の加入条件について、今後、適用企業の対象が、「従業員数501人以上」から2022年10月に「101人以上」、2024年10月に「51人以上」に、2段階に分けて、徐々に拡大されることが検討されています。
 
この制度変更により、比較的、規模が小さい企業において、パートタイマーなどで働いている短時間労働者も、厚生年金の被保険者として、制度に加入することになります。現在のところ、新たに65万人が厚生年金の対象になる予定です。
 

厚生年金に加入できるとどうなる?

では、短時間労働者の方が厚生年金制度に加入するようになると、どのようなメリットがあるのかを確認しておきましょう。まずは、「厚生年金制度」自体が、より安定した制度になるというメリットがあります。
 
少子高齢化が進む日本にとって、年金制度をしっかりと維持することは、大変重要な課題です。パートタイマーやアルバイトなどで働く方も、被保険者となり、厚生年金の保険料を納めてもらうことで、制度として、より信頼できるものになることが予想されます。
 
また、パートタイマーとして働く方は、厚生年金保険料を納めなければならなくなりますが、国民年金に比べると、年金額が多く、将来的に、もらえる年金が増える可能性があります。老後資金2000万円問題があるように、自分で老後のお金をしっかり準備するのは大変なことですね。
 
厚生年金に加入することで、老後の生活が、経済的により豊かに、安定すると考えられます。制度変更により、企業側の負担も増えるので、今後さらに変更内容について、議論検討される予定です。
 
いかがだったでしょうか。厚生年金制度の変更について、実施まではまだ2年以上ありますが、パートタイマーやアルバイトで働いている方は、ぜひ注目しておきたいニュースですね。今回ご紹介した内容を参考にしながら、今後の動向をチェックしておきましょう。
 
参考 (※)日本年金機構 年金Q&A(厚生年金の加入(被保険者))
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者


 

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