更新日: 2020.11.17 その他年金
年金の支給漏れ、一体どれくらいある? チェック方法は?
年金の支給漏れはどういった理由で起こるのでしょうか。日本年金機構が令和元年9月に発表したプレスリリースを基に解説していきます。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
平成30年度の集計では事務処理誤りなどの総件数は1890件
平成30年4月分から平成31年3月分を取りまとめた年次公表によれば年金の事務処理誤りは合計1890件となりました。
※日本年金機構 「事務処理誤り等(平成30年4月分~平成31年3月分)の年次公表について」より筆者作成
うち、年金給付関係は937件となっており、半数以上が年金の給付に関連するものです。さらに、937件のうち560件が給付に関して確認や決定に誤りがあったというものです。
※日本年金機構 「事務処理誤り等(平成30年4月分~平成31年3月分)の年次公表について」より筆者作成
なお、937件の年金給付関係の事務処理の誤りのうち原因があったものを平成30年度に発生したものに限れば、誤りのあったのは198件となります。
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事務処理誤りで年金にどれくらい影響が出ている?
支給漏れを含む年金給付関係の事務処理誤り937件のうち、年金額に影響があったのは684件です。実に70%を超える割合で影響が出ています。
そのうち、最も多く影響があった金額としては10万円以上50万円未満となります。少数ではありますが、500万円以上影響した件もあります。件数の内訳については下記の表のとおりとなります。
影響額 | 件数 |
---|---|
1万円未満 | 23 |
1万円以上5万円未満 | 99 |
5万円以上10万円未満 | 62 |
10万円以上50万円未満 | 247 |
50万円以上100万円未満 | 83 |
100万円以上500万円未満 | 135 |
500万円以上 | 35 |
影響なし | 253 |
合計 | 937 |
※日本年金機構 「事務処理誤り等(平成30年4月分~平成31年3月分)の年次公表について」より筆者作成
年金の支給漏れがないかはどう確認すればいい?
年金の支給漏れはひとごとではありません。国は支給漏れが起こらないよう努力していますが、それでも毎年一定数は支給漏れが発生しているというのが現実です。
支給漏れがないかは受給者である私たち自身でも確認する必要があります。年金の支給漏れがないか確認するには次のような手段があります。
年金の加入履歴から確認する
年金手帳やねんきん定期便、ねんきんネットにて自身の年金の加入履歴を確認しましょう。
特に会社員から自営業者に転向していたり、結婚などにより加入していた年金の種類に変更があったような場合は要注意です。加入履歴が分かれば、そこから自身が将来もらえる年金の額や種類も明確になります。
日本年金機構からの通知を確認する
年金の受給者には年金額を知らせる「年金振込通知書」をはじめ、年金の受給状況に動きがあれば各種通知書が毎年送られてきます。年金に関する通知が来た場合は必ず中身を確認し、記載事項に間違いはないか、取るべき手続きはないかなど確認するようにしてください。
年金事務所に相談する
年金事務所においては、年金に関する相談を受け付けています。自身に支給漏れがないか気になる場合は最寄りの年金事務所に問い合わせると状況を確認できる場合もあります。
年金の支給漏れはひとごとではない
年金の支給漏れは毎年起こっており、ひとごとではありません。年金の支給漏れを防ぐためにも、自身の年金の加入履歴を把握した上で、日本年金機構から届く通知を確認するようにしてください。また、適宜不明な点を年金事務所へ問い合わせることでより確実に支給漏れを防ぐことができます。
年金の支給漏れによる被害者とならないためにも、定期的に自身の年金の状況について確認するようにしてください。
出典 日本年金機構 事務処理誤り等(平成30年4月分~平成31年3月分)の年次公表について
執筆者:柘植輝
行政書士