やっぱり老後も働き続けるべき? 在職職老齢年金改正の影響とは

配信日: 2020.11.24

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やっぱり老後も働き続けるべき? 在職職老齢年金改正の影響とは
2022年4月より在職老齢年金の仕組みが一部変化します。年金を受けながら働くことも珍しくはない現在、本改正は年金を受給している方にとって大きな意味を持つことになります。
 
そこで、今話題となっている在職老齢年金の改正内容について確認していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

在職老齢年金が見直される

年金を受給している人が働いている場合、給与の額に応じて年金の一部または全額の支給が停止される仕組みを在職老齢年金制度と呼びます。現行の在職老齢年金制度では、60歳から64歳までの方において給与と年金の合計額が28万円を、65歳以上の方であれば47万円を超えると年金の一部または全額の支給が停止される仕組みとなっています。
 
以下の表は60歳から64歳の在職老齢年金による調整後の年金支給月額の計算式になります。

今回見直しがされるのは60歳から64歳までの方における在職老齢年金です。60歳から64歳までの在職老齢年金が2022年4月以降、基本月額の上限が28万円から47万円まで引き上げられることになります。
 
例えば、毎月年金を10万円もらっているため、本来25万円の給与分働けるところ年金の受給額が減らないよう給与が18万円までになるよう抑えて働く方がいたと仮定しましょう。その場合、在職老齢年金の基準額が現行の28万円から47万円になれば、働く時間を抑える必要もなくなり総収入をアップさせられるようになります。
 
なお、65歳以上の方における在職老齢年金については変更がなく、現行どおり基準額は47万円のままとなります。
 

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在職定時改定が導入される

もう1つ、在職老齢年金の見直しとともに押さえておきたい制度に在職定時改定の導入があります。
 
現行制度においては、老齢厚生年金の受給権を取得した後に厚生年金の被保険者として就労していても70歳に到達するか退職して資格を喪失するまでは老齢厚生年金の額が改定されず、65歳以降は保険料を納めていても、資格を喪失するまで受給額が増額されないという状態になっていました。
 
その問題を解消し、年金額の変化をリアルタイムに反映させるため在職定時改定の仕組みが導入されました。これにより、65歳以上の者が在職中であっても年金額について改定が毎年1回10月分から行われるようになりました。
 
在職定時改定により、年金額の変化が常に目に見えるようになり、安心して就労を続けられるとともに就労意欲の向上も見込まれます。
 

在職老齢年金の改正を受けて60歳以降の働き方をどう変えるべき?

60歳から64歳の方における在職老齢年金の基準額が28万円から47万円に引き上げられることで、年金受給者の働き方の選択肢がより広がるようになりました。ただ、だからといって一概に60歳以降も働き続けることがよいとも限りません。収入と支出を基に自身のライフプランを実現できる道を選ぶことが大切です。
 
2022年4月に施行される在職老齢年金の改正内容を踏まえ、今一度60歳以降の働き方について考えてみてはいかがでしょうか。
 
出典
日本年金機構 60歳台前半(60歳から65歳未満)の在職老齢年金の計算方法
厚生労働省 年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました
 
執筆者:柘植輝
行政書士


 

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