更新日: 2021.01.25 その他年金

「ねんきん定期便」はすぐに捨てちゃダメ? いつまで保存すべき?

執筆者 : 辻章嗣

「ねんきん定期便」はすぐに捨てちゃダメ? いつまで保存すべき?
「ねんきん定期便」は、年金の加入状況や将来受け取ることができる年金額を確認するための重要な書類ですが、いつまで保管しておくと良いのでしょうか。
 
今回は、「ねんきん定期便」の種類と保管期間について解説するとともに、便利なインターネットサービス「ねんきんネット」も紹介します。
辻章嗣

執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)

ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
https://www.wing-fp.com/

「ねんきん定期便」で確認すること・分かること

そもそも「ねんきん定期便」には、どんな情報が記載されているのでしょうか(※1)。「ねんきん定期便」の詳しい見方については、同封されている資料や日本年金機構のホームページにある見方ガイドを参照してください(※2)。
 

1.年金加入記録を確認しよう

「ねんきん定期便」には、過去の年金加入状況が記載されています。実際の就業状況に応じた年金加入記録になっているのか確認しましょう(※2)。もし、年金加入状況の記載内容に記入漏れや誤りがあった場合には、年金記録の確認を行いましょう(※3)。
 

2.将来の年金見込み額が分かる

「ねんきん定期便」では、将来受け取ることができる老齢年金の見込み額を確認することができます(※1)。特に、50歳以上の方に送付される「ねんきん定期便」には、現在の加入条件が60歳まで継続すると仮定して65歳から受給できる老齢年金の見込み額が記載されています。
 
一方、50歳未満の方に届く「ねんきん定期便」に記載されている年金額は、今までの加入実績に応じた年金額です。従って、若いうちは非常に少ない額となっていますが、将来受け取ることができる年金額ではありませんので誤解しないようにしましょう。
 
なお、1年前の時点の年金額も併せて記載されていますので、1年間でどのくらい年金額が増えたのかも確認できます。
 

2種類の「ねんきん定期便」に応じた保管期間は?

1.「ねんきん定期便」には2種類ある

「ねんきん定期便」は毎年誕生月に日本年金機構から送付されますが、年齢によって、はがきと封書の2種類があります。
 

 
35歳、45歳と59歳の節目の年には、封書の「ねんきん定期便」が届きますが、この書類には過去の就職や転職の状況が年金加入記録として記載されています。
 
一方、節目の年以外に毎年送付される、はがきの「ねんきん定期便」に記載されているのは直近1年間の年金加入状況です。
 

2.種類に応じた保存期間

はがきで届く「ねんきん定期便」は、直近1年間の年金加入記録に漏れや間違いがないか確認したら、次の「ねんきん定期便」が届くまで1年間保管しておきましょう。
 
また、封書で届く「ねんきん定期便」では、今一度過去の年金加入記録を確認し、次の節目の年に届く封書の「ねんきん定期便」が届くまで10年間ほど保管すると良いでしょう。59歳のときに届く「ねんきん定期便」は、老齢年金の受給手続きを終えるまで保管してください。
 

より便利な「ねんきんネット」を利用しよう

1.「ねんきんネット」とは

「ねんきんネット」は、インターネットを通じて24時間いつでもどこからでも年金の加入状況や見込み額などの情報を手軽に確認できるサービスです(※4)。
 

2.「ねんきんネット」でできること

「ねんきんネット」で利用できる主なサービスは、以下のとおりです(※4)。
 
(1)年金記録を確認する
過去の年金加入状況を一覧できるほか、記録漏れなどがないか詳細な年金記録を確認したり、国民年金保険料の納付・後払い(追納)が可能な月数と金額などを調べることができます。
 
(2)将来の年金額を試算する
50歳未満の方でも、現在の加入条件を60歳まで継続すると仮定した年金見込み額を試算できます。また、今後の働き方や年金受給開始年齢を変えるなど、詳細な条件を指定して年金額を試算することも可能です。
 
(3)通知書を確認する
電子版の「ねんきん定期便」をダウンロードすることができるので、紙の「ねんきん定期便」を保管しておかなくても、いつでも年金の情報を確認できます。
 

3.「ねんきんネット」に登録しよう

「ねんきんネット」を利用するためには、利用登録(ユーザーIDの取得)またはマイナポータルからの連携が必要です(※5)。登録方法は「アクセスキーがある」場合と「アクセスキーがない」場合で異なりますが、「ねんきん定期便」に記載されているアクセスキーを利用すると即座に登録することができます。
 
なお、「ねんきん定期便」に記載されているアクセスキーの有効期間は3ヶ月ですので、受け取ったら速やかに「ねんきんネット」に登録しましょう。
 

 

まとめ

「ねんきん定期便」が届いたら、年金加入記録と年金見込み額を確認してください。そして、はがきは1年、封書は10年を目安に保管されると良いでしょう。
 
また、「ねんきんネット」に登録すれば、「ねんきん定期便」の保管期間を気にすることなく、いつでも年金記録などを確認できます。「ねんきん定期便」を受け取ったら、3ヶ月以内に記載してあるアクセスキーを利用して「ねんきんネット」に登録しましょう。
 
出典
(※1)日本年金機構 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています
(※2)日本年金機構 「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和2年度送付分)
(※3)日本年金機構 年金加入記録に「もれ」や「誤り」があった場合
(※4)日本年金機構 ねんきんネット
(※5)日本年金機構 「ねんきんネット」に登録するには?
 
執筆者:辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士
 

ライターさん募集