公開日:2019.11.18 税金

共働き夫婦の疑問! 確定申告をするなら、どっちの名義がお得?(1)

もう少しで確定申告のシーズンがやってきます。給与所得者の方々で、「さあ、今年も還付申告をするぞ」と考えておられる方は多いと思います。共稼ぎ夫婦の場合、どちらの名義で申告するのが有利なのでしょうか?
 
これについて問題点を整理しながら、説明したいと思います。
 
浦上登

執筆者:

執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)

サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。
 
早稲田大学卒業後、大手メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超える。その後、保険代理店に勤め、ファイナンシャル・プランナーの資格を取得。
 
現在、サマーアロー・コンサルティングの代表、駒沢女子大学特別招聘講師。CFP資格認定者。証券外務員第一種。FPとして種々の相談業務を行うとともに、いくつかのセミナー、講演を行う。
 
趣味は、映画鑑賞、サッカー、旅行。映画鑑賞のジャンルは何でもありで、最近はアクションもの、推理ものに熱中している。

https://briansummer.wixsite.com/summerarrow

詳細はこちら
浦上登

執筆者:

執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)

サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。
 
早稲田大学卒業後、大手メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超える。その後、保険代理店に勤め、ファイナンシャル・プランナーの資格を取得。
 
現在、サマーアロー・コンサルティングの代表、駒沢女子大学特別招聘講師。CFP資格認定者。証券外務員第一種。FPとして種々の相談業務を行うとともに、いくつかのセミナー、講演を行う。
 
趣味は、映画鑑賞、サッカー、旅行。映画鑑賞のジャンルは何でもありで、最近はアクションもの、推理ものに熱中している。

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確定申告の対象はどんなものがあるか?

確定申告の対象にはどんなものがあるでしょうか?医療費控除、ふるさと納税、生命保険料控除、地震保険料控除、iDeCoの掛け金の控除、住宅ローン控除、大学生の子どものために支払った国民年金保険料などの控除等々が思い浮かびます。
 
この中には年末調整で還付申告ができるものもありますが、もし忘れた場合は確定申告をすることによって税金が戻ってきます。
 
どちらが有利か検討するということは、すなわち、どちらが申告すると還付税額が多くなるかということになります。そのためには、「同一生計」ということについて考えなくてはなりません。
 

共稼ぎ夫婦の場合、同一生計とみなされる

「同一生計」とは何でしょうか?これは一言で言うと、生活費が同じ財布から出ているということです。通常同居していれば、「同一生計」とみなされますし、別居していても常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われていれば「同一生計」とみなされます。
 
共稼ぎ夫婦、同居している子どもや老親は「同一生計」ですし、地方で下宿している大学生の子どもや一人で住んでいる老親なども生活費や学資金を送金していれば、「同一生計」とみなされます。
 
ですから、共稼ぎ夫婦の扶養親族である子どもにかかった費用、例えば、大学生の子どものために支払った国民年金保険料も親の費用として所得控除申告ができるということになります。
 

共稼ぎ夫婦どちらの名義で申告する方が有利か?

では、医療費は夫婦どちらの経費として申告できるのでしょうか? 原則として、その費用を払った人が確定申告をすることになりますが、医療費のように共稼ぎ夫婦共通の生活費から出費した場合などはどちらと区別することはできないので、夫、妻、いずれからでも申告することができます。
 
夫年収850万円、妻年収600万円の共稼ぎ夫婦が、20万円の医療費控除を申告する場合を考えてみます。
 
夫の名義で申告した場合は次のようになります。

 
これが、妻の名義で申告した場合は以下の通りです。

 
なんと還付税額が、4万円と2万円で2倍の差があります。なぜこういうことが起きるのでしょうか?下の所得税率の表を見てください。税率は課税所得によって決まるので、夫婦それぞれの所得税額は次のようになります。
 
夫の所得税額:夫の課税所得金額487万円×20% - 42.75万円=54.65万円(ベースとなる税率は20%)
妻の所得税額:妻の課税所得金額268万円×10% - 9.75万円=17.05万円(ベースとなる税率は10%)
 
すなわち課税所得によってベースとなる税率が異なる(20%対10%)ので、それが還付税額にも反映されてしまい、2倍の差がついてしまうのです。
 
夫名義で申告した場合
医療費控除額20万円×20%=還付税額4万円
妻名義で申告した場合
医療費控除額20万円×10%=還付税額2万円
 
このように還付申告は課税所得が多い人(=収入の多い人)の名義で申告したほうが、還付税額が増えて有利になります。もう少し詳細に言うと、所得税率表の税率の変わる境界の課税所得金額に注目してください。
 
税率の大きい人の名義で申告したほうが有利となります。
課税所得が500万円と250万円の人なら、500万円の人(20%対10%)
課税所得が300万円と150万円の人なら、300万円の人(10%対5%)
課税所得が680万円の人と380万円の人ならどちらでも同じ(20%対20%)
ということになります。
 
所得税率表

 

まとめ

上記の説明で還付税額の計算の仕方はお分かりいただけたかと思います。還付請求では税金の構造を知った上で行うと申告が有利になります。次回はもう少し詳細にわたって解説をしたいと思います。
 
出典 国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

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