更新日: 2021.03.16 確定申告

花粉症で市販薬を利用しているなら、レシートを捨てずに活用しよう

執筆者 : 馬場愛梨

花粉症で市販薬を利用しているなら、レシートを捨てずに活用しよう
春めいてくると気分が上がるという方も多いですが、花粉症を抱える方にとってはつらいシーズンですよね。薬を買い続けたり、耳鼻科で治療を受けたり、出費がかさんでいる方もいるのではないでしょうか。市販薬を買った際のレシート、保管しておくとあとで使えるかもしれません。
馬場愛梨

執筆者:馬場愛梨(ばばえり)

ばばえりFP事務所 代表

自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。

過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。

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市販薬代が年間1万2000円を超えていたら使える制度

花粉症やアレルギー性鼻炎の方の中には、「アレグラFX」(※)「クラリチンEX」(※)「パブロン点鼻クイック」など、ドラッグストアなどで購入できる市販の薬で対策している方もいるでしょう。
 
それらの薬のレシートを保管しておいて、1年間の合計金額が1万2000円以上になったら「セルフメディケーション税制」という制度の対象になる可能性があります。
 
■セルフメディケーション税制とは
セルフメディケーション税制とは、スイッチOTC医薬品(所定の市販薬)を購入した場合に、年間1万2000円を超える分について所得控除を受けられるという制度です。
 
所得控除を受けられると、税金を計算するときの元になる「所得」が減るので、税金が安くなります。レシートをもとに確定申告をすることで、安くなった所得税の分が「還付金」として手元に戻ってきたり、翌年の住民税が安くなったりします。
 
セルフメディケーション税制では、花粉症以外の市販薬でも対象になるものが数多くあります。例えば「バファリンEX」「フェイタスZ ジクサス(湿布)」「龍角散せき止め錠」なども対象です。
 
これらすべて合計して、家族の分も合わせて「年間1万2000円」が基準です。実際に支払う金額(購入額)の上限は10万円(所得控除額8万8000円)となっています。
 
この制度の利用条件として、市販薬の購入が一定額以上であること以外に「健康のための一定の取組」を行っていることも必要です。職場で受ける健康診断、市町村のガン検診、インフルエンザの予防接種などが該当します。これらの結果表や領収書もあわせて保管しておきましょう。
 
■対象になる薬の調べ方
セルフメディケーション税制の対象の薬かどうかは、薬のパッケージに記載してあったり、インターネットで検索できたりするのでかんたんに確認できます。
 
また、ドラッグストアなどのレシートを見ると、品目名の前に「★」や「◆」など対象品であることがわかる目印が付いています。普段レシートを見ずにすぐに捨ててしまう方も、次に薬を購入したときはぜひじっくりとチェックしてみてください。
 
対象の薬だったらレシートをどこか1ヶ所にまとめて保管しておき、年末にかかった金額を計算してみましょう。
 

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セルフメディケーション税制は「医療費控除」の一種

セルフメディケーション税制は「医療費控除」という制度の「特例」という扱いです。医療費控除では、1年間に負担した医療費の合計が原則「年間10万円」を超えた分について所得控除を受けられます。
 
セルフメディケーション税制と医療費控除は、どちらか片方しか利用できないというルールがあります。市販薬で対応することが多く医療費負担が年間10万円に満たなかった方はセルフメディケーション税制を、病院等の費用がかさんだ方は医療費控除を選びましょう。
 

確定申告は案外簡単にできる

制度を利用するには確定申告が必要ですが、「確定申告なんてよくわからないし面倒くさそう……」と感じる方もいるでしょう。しかし、確定申告はセルフメディケーション税制の適用だけなら比較的簡単で、特に会社員など会社で年末調整を済ませている方は楽に済ませられます。
 
スマホで質問に答えながら数字などを入力していけば、自動的に税額や還付金の額が計算され、必要な書類(確定申告書)を作成できますよ。国税庁の「確定申告書作成コーナー」をチェックしてみましょう。
 
ちなみに確定申告の時期は例年2月中旬~3月中旬ですが、還付申告書は、その期間にかかわらずその年の翌年1月1日から5年間提出することができます。
 

まとめ:セルフメディケーション税制を活用しよう

市販薬をたくさん使ったからといって花粉症が必ず改善するということではないのですが、どうせ対策や治療にお金をかけるなら少しでもそのお金が返ってくるよう、セルフメディケーション税制を活用してみてはいかがでしょうか。
 
(※)
厚生労働省「セルフメディケーション税制対象医薬品 品目一覧(全体版)」
 
(出典)
厚生労働省「セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について」
国税庁「No.1129 特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき(医療費控除の特例)【セルフメディケーション税制】」
国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」
国税庁「No.1131 セルフメディケーション税制と通常の医療費控除との選択適用」
国税庁「No.2030 還付申告」
 
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表