更新日: 2023.09.30 その他税金
値上げラッシュなのに「ビールは値下げ!」。それでも手放しでは喜べない理由
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
ビールが安くなる理由
令和5年10月からビールの値段が下がる理由は、酒税法改正による影響です。本項では、酒税法改正の内容と、ビール系飲料における酒税の変化について解説します。
10月の酒税法改正とは
酒税法改正によって、ビール系飲料の税率が段階的に変更されています。財務省ホームページの「酒税に関する資料」によると、酒税法改正の背景には以下のような事情があります。
類似する酒類間の税率格差が商品開発や販売数量に影響を与えている状況を改め、酒類間の税負担の公平性を回復する等の観点から、税収中立の下、酒税改正を実施します。
平成29年度改正から始まった酒税法改正ですが、最終的には令和8年10月までに新体制に移行する予定です。その前段階として、令和5年10月に税率変更が行われます。
ビール系飲料における酒税の変化
酒税法改正によって、ビール系飲料の価格に大きな変化を及ぼします。令和5年10月以降の税金の変化については以下をご参照ください。
ビール……70円から63.35円に変更
発泡酒……46.99円で変わらず
第3のビール……37.8円から46.99円に変更
令和5年10月の変更後、最終的には全てのビール系飲料の酒税が54.25円に統一される予定です。
ビール以外のお酒は要注意
令和5年10月の酒税法改正によって、ビールの値段が安くなります。しかし、物価上昇の影響もあって、ビール以外のお酒については注意が必要です。ここでは、ビール以外のビール系飲料の注意点について解説します。
発泡酒や第3のビールは値上がり
現在、世界的な物価高騰により、数々の商品の値上げが発生しています。この物価上昇によって影響を受けるのは、ビール系飲料も例外ではありません。
ビール系飲料を発売している大手メーカー各社から、商品の値上げが発表されています。ビールに関しては酒税法改正によって若干値下がりしますが、税率が変更しない発泡酒と税率が上昇する第3のビールは実質値上がりする可能性が高いでしょう。
まとめ
本記事では、令和5年10月からビールの値段が下がる理由と注意点について解説しました。酒税法改正により令和5年10月からビールの税率が引き下げられるため、ビールの値段が下がります。
その一方で、世界的に物価が上昇していることで、大手メーカーが続々とビール系飲料の値上げを発表しています。税率が下げられるビールは値下げされますが、税率が変わらない発泡酒と税率が上がる第3のビールは実質値上げとなります。これまで「安いから」という理由で発泡酒や第3のビールを選んでいた消費者は、10月以降の価格に注意しましょう。
出典
税務署 酒税法改正のあらまし
財務省 酒税に関する資料
財務省 酒税に関する資料 酒税改正(平成29年度改正)について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー