10月からふるさと納税が改正! 主な改正内容はなに? 返礼品が値上げになるって本当?
配信日: 2023.10.20
本記事ではふるさと納税が改正される理由と改正の主な内容や、ふるさと納税の目玉である返礼品の値上げの有無について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ふるさと納税とは何か?
制度の改正が話題のふるさと納税とは、どういった制度なのでしょうか。
ふるさと納税がもうけられた理由
ふるさと納税が設けられたのは、人口の減少による地方の税収減がおもな理由です。
地方で生まれ育った人たちの一定数は、進学や就職でその地を離れます。そのため、地方では人口の減少とともに、税収の減少も大きな課題の1つです。そこで、自由な寄付を可能にして、地方の税収減を少しでもおぎなおうという狙いでもうけられたのが、ふるさと納税という制度です。
ふるさと納税の仕組み
ふるさと納税には「納税」ということばがついていますが、実際は自治体への寄付を推奨する制度です。自分が選んだ都道府県や市区町村に寄付をすることで、自己負担額の2000円をのぞいた所得税と住民税が全額控除(寄付金控除)されます。
また、各自治体が用意している寄付額に応じた返礼品を受けとることも可能です。ふるさと納税で所得税と住民税の控除を受けるためには、寄付をした年の翌年に確定申告を行います。
ただし、確定申告が不要な給与取得者などの場合は、ふるさと納税をした自治体に申請することで、確定申告が不要になる「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が利用できます。なお、当特例制度を受けるためには、寄付をする自治体の数が5団体以内の場合のみです。
ふるさと納税が改正された背景
ふるさと納税が改正された背景には、「隠れ経費」と「過度な返礼品競争」があります。
隠れ経費
ふるさと納税では寄付をつのるために必要な経費の割り合いが、返礼品の場合は「寄付額の3割以下」で、さらに送料などを含めた経費総額が「5割以下」と定められています。
ところが事務費や送料の中に、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の事務費用や、寄付金受領証の発行に関する不随(ふずい)費用などの隠れ経費があることが判明したのです。この隠れ経費を加えると、経費総額が5割を超える自治体もあることが明らかになっています。
過度な返礼品競争
ふるさと納税を行う人の主な目的は、故郷や好きな自治体などの支援、寄付による税金の控除、返礼品への期待の3つです。なかでも返礼品への期待をした寄付が増加傾向にあり、各自治体では寄付額を増やすための返礼品競争が過熱気味になっています。この過度な返礼品競争はメディアでもとり上げられ、問題視する声も少なくありません。
主な改正内容
ふるさと納税を所管する総務省によって改正された主な内容は以下の2点です。
募集適正基準の改正
「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の事務費用、寄付金受領証の発送費用、仲介サイトへの手数料といった隠れ経費は、その取り扱いがあいまいでした。
今回の改正によって隠れ経費の報告も求められるようになり、すべての経費を含めて寄付額の5割以下にするように、その基準が厳格化されています。そのため、経費の節減ができない場合には、返礼品を受けとるのに必要な寄付額がアップする可能性があります。
地場産品基準の改正
返礼品に用いられる肉や米は、改正前までは地元で加工や熟成がされていれば、原材料が他の都道府県や海外であっても「地場産品」を名のることができました。今回の改正によって、「精米」と「熟成肉」については、原材料が当該の都道府県内産でなければ返礼品として認められないとの改正が行われました。
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改正でふるさと納税がどう変わるのか注目していこう
ふるさと納税が令和5年10月に改正された背景には、「隠れ経費」と「過度な返礼品競争」がありました。ふるさと納税は、本来、寄付の半分以上を自治体の財源にする必要があります。ところが、「隠れ経費」によって経費が5割を超えている場合がありました。
また、「過度な返礼品競争」も、寄付によって故郷や財源不足の自治体を支援するという、本来の目的を逸脱(いつだつ)していたといっても過言ではありません。このような状況を是正するために行われたのが今回の改正です。当改正によってふるさと納税がどう変わっていくのか、今後の動向に注目していきましょう。
出典
総務省 ふるさと納税の次期指定に向けた見直し
総務省 よくわかる!ふるさと納税
総務省 ふるさと納税の理念
総務省 ふるさと納税のしくみ
東京都主税局 ふるさと納税に対する東京都の見解
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー